こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
11月に入り夜中の気温が下がりはじめ、日中との気温差と大気の乾燥で身体がうまく順応していないためでしょうか、私は少々風邪気味の今日この頃ですが、皆さん体調崩されていませんか。
どうやら某氏の風邪がうつったみたいです。
若い人の回復力は早いですね。
彼はもう完治してピンピンしていますが......
さて、秋が深まるに従い気温が低下すると同時に湿度も急激に下がり始めます。
実はルアー作りに一番良い季節は、乾燥注意報が出始める秋から冬にかけてのこれからの季節なのです。
理由は、ルアー作りに使われるセルロースセメントやウレタン塗料、着色用のアクリル系などの塗料は大気中の湿度が低い程、乾燥時間が早まると共に密着強度も上がるのです。
大気中の湿度が低い(高い)と言うことは、大気中にある水蒸気が少ない(多い)事であり、 水と油は混ざり合えずにお互いが良い影響を受けないのと同じで、湿度が高いほど塗料の使用条件には良くありません。
(水蒸気=水)+(塗料=石油系)=×
大気中の湿度が高いとコーティング塗膜やミスト状の塗料間に、水蒸気が入り込んで塗料が白濁し、塗膜の密着を低下させます。
ですから、これからの乾燥した季節はルアー作りに最適なのです。
ところで皆さんは、ルアー作りに使用するエアブラシ、色々なメーカーから発売されていますがどんなタイプをお持ちでしょうか?
私が初めて使ったエアブラシは、今はもう無きオリンポス社(倒産したわけではありません)のヤング88と言うタイプで、30年程前にお年玉で購入したのを今でも鮮明に覚えています。
エアブラシと言えば、オリンポス社と言われるほどの高精度な日本製エアブラシは、国内外を問わず多くのファンが今でも使い続けています。
現在は諸事情により営業活動を止めており、多くの方達は会社がなくなって、もうオリンポス社のエアブラシが入手出来ないと思われているみたいですが、製品の在庫は一部を除き多数有るようで、オリンポス社の販売代理店は今でも数社存在しますので購入できます。
当時はフロンガスのエアー缶タイプを使用していた為、直ぐにエアー缶が冷たくなりエアー圧が下がって使い辛いものでした。
その後、コンプレッサーを購入した事は言うまでもなく、購入をきっかけに着色のレベルも上がり、本格的にルアー作りが始まった訳ですが、それは同時に、コンプレッサーの騒音とシンナー臭との戦いでもありました。
エアブラシを入手する前は、刷毛塗りや缶スプレーによる着色で、エアブラシより難易度が非常に高く、今の自分の技量を以ってしても、刷毛塗りや缶スプレーで綺麗に着色する自信はありません。
エアブラシって何か難しそう~って思っているそこのア・ナ・タ、刷毛塗りや缶スプレーより簡単ですから購入してみてはどうでしょうか?
そこそこ塗れるまでに練習は必要ですが購入する価値はあります。
エアー缶タイプは直ぐにエアー圧が下がるので、エアー缶タイプではなく、思い切ってコンプレッサ一を含むエアブラシ一式を揃えるのが賢い選択です。
検索すれば、昔に比べコンプレッサーでも手頃な価格の物が多くヒットするし、静音タイプのコンプレッサーも有りますので騒音の心配もしなくてすみますよ。
それとエアブラシに限らず着色やコーティング時は、必ず換気を忘れずにしてください。
| 2丁めに購入した同一のタイプ
15年程使用していました。(エアブラシは1丁2丁と数えます)
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エアブラシの 手で握る部分ですが構造により3タイプに分かれます。
| トリガーアクション |
・トリガーアクション
拳銃のトリガー(引き金)のような形のものが付いており、エアーと塗料をトリガーの引き方一つで調節するタイプで、トリガータイプの為、長時間使用しても疲れにくいという長所があります。
トリガーを少し引くとエアーだけが出て、さらに引くと引き量に応じて塗料の吹き付け量も多くなります。
トリガーを引けばエアーは常に全開状態であり、トリガーによるエアー圧の調整は出来ません。
| シングルアクション |
・シングルアクション
私が初めて購入したオリンポス製ヤング88と言う機種は、シングルアクションに分類され、エアブラシ上部ボタンを押すとエアーが出て吹き付け出来ますが、塗料の噴出量は後ろのダイヤルを回して調節しなければなりません。ですから、吹き付けしながら塗料の噴出量(吹き幅)を調整する事ができません。
このタイプは低価格な物が多いです。
| ダブルアクション |
・ダブルアクション
ボタンを押すとエアーが出て、そのままボタンを引くことで塗料を吹き付けるタイプで、ボタンを押した状態で、ボタンを前方位置へ戻すとエアーのみが噴出します。
ボタンの引き量を最大にすると塗料の噴出量も多くなり、 またボタンの押し加減でエアー圧の調整ができ、吹き付け中でも塗料の出方をコントロール出来ます。
私が長年愛用しているタイプはダブルアクションのエアブラシです。
ダブルアクションのエアブラシは前述の通り、ボタン一つでエアー圧の調整から塗料の噴出量をコントロール出来るため、エアブラシアーティストやエアブラシイラストレーターが好んで使っています。
ダブルアクションのエアブラシは ボタンタイプの為、トリガーアクションのように長時間向きではないと思われますが、それは人差し指でのボタン操作時に限った事であって、エアブラシのプロ達の多くは親指でボタン操作しています。
| 親指でボタンを操作するダブルアクションの持ち方(手前) |
親指でボタン操作すると、コンマ数ミリ間隔のノズル開閉調整が容易にできる為、より繊細な着色ができるのです。
初めて購入するのであれば、 シングルアクションは構造上少し使いづらいエアブラシですから避けて頂いて、 トリガーアクションかダブルアクションをオススメします。
長年エアブラシを使っているとわかるのですが、エアブラシにも個性!?があって、新品であるにも関わらず一丁一丁癖という物があり、その癖を使い手側が見抜いて活かしてやらないと、単に使いづらいエアブラシで終わってしまいます。
また、 一つのエアブラシを育てる感じで長く使い続けると、次第にその癖が身体に染み付いて 愛着の沸いてくる数少ない道具の一つになっていきます。
試しに他人の使っているエアブラシを借りて使ってみてください、私の言っていることが分かりますよ。
それでは皆さん良い釣りを |