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IK-SPIN JERK・GEKIASA SHAD 完成!
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

フィッシングショーが終わってからというもの、毎日が忙しなく、気が付いたら桜の咲く季節になっていた今日この頃であります。

ここ最近の工場では、IK-SPIN JERKとGEKIASA SHADの第一陣は無事に出荷され、第二陣の生産ラインが寿司詰め状態になっています。




プレッシャーの高い状況でも、ハイレベルな釣獲能力を追求したIK-SPIN JERKは、スレンダーで65ミリというサイズとGEKIASA ⅢIK-JERK譲りのダート性能を受け継いだことにより、多様なトゥイッチアクションを織り交ぜることで、まるで本物のベイトかと思うほどの、パニック逃避アクションを発生します。

一見するとGEKIASA ⅢIK-JERKを単にダウンサイジングしたかのように見えますが、飛距離、スイミングアクション、潜行深度、そしてアングラーの使用感を考慮した結果、内部構造はもとより、リップのサイズに角度、ラインアイの位置等が全く異なる、多くのプロトサンプルの中から選抜しました。


GEKIASA ⅢIK-JERK(上)と
IK-SPIN JERK 全長65mm 
重量4.2g
サスペンド
潜行レンジ1.5m/フロロ4ポンド使用時


IK-SPIN JERKの性能を最大限に引き出すには、バットがやや張りのあるウルトラライトクラスのスピニングロッドに、ラインはフロロの3.5~4ポンドまでを目安にすると良いです。

バット部分に張りが無いロッドや太いラインを使用すると、メリハリのあるトゥイッチアクションが与えらず、またラインに受ける水流抵抗で、キレッキレのダートアクションが出なくなってしまうのです。

4グラムという軽量ボディに関わらず、矢を射るかのように真っ直ぐと、意図したポイントに飛んでいく、安定した飛距離を獲得する為と、ハイスピードリトリーブにも対応させるために、磁着タングステンボールを65ミリのボディに装填しています。

キャスト時は、全重量の約15%がボディ後方へ移動することで飛距離をかせぎ、スイム時には、マグネットにタングステンボールが磁着することで、安定したスイミングを実現しました。


メイン固定ウェイトは低重心化により、
安定した飛行姿勢に一役買っています。


GEKIASA Ⅲ IK-JERKで培われたダート性能を、IK-SPIN JERK用に昇華させるために、リップの面積と角度、そしてラインアイ角度をリファイン。




水の掴みと切れを両立させた、
ティアドロップ型リップ。


釣獲能力を最大限に活かすために、軽く触れただけでもフックポイントが立ち上がり、僅かな力でも貫通力を高める、フッ素加工された「SAMURAI HOOK」を初採用。


貫通力とバラシの軽減を両立した、
セミリマリック形状のトレブルフック。


全長58mm 
重量7g
デッドスローフローティング


既に霞水系で高釣果を叩き出している「GEKIASA SHAD」は、先月まで行われたゲキシャ5メンバーのもと、ロコアングラーならではの使用方法等が、きめ細やかに情報発信されたことで、「GEKIASA SHAD」のコンセプトが、一般のアングラーにも分かり易く、共有出来ていると思います。

100%ショアアングラー目線で開発された「GEKIASA SHAD」は、広大なシャローエリアを効率よく攻略する為に、潜行深度は50㎝という目標を掲げられ、またハイピッチタイトロールアクションは必須という難題に、昨年末ごろから本格的に取り組んでいました。

通常、強いウォブリングやローリングアクションを強調させたベクトルへもっていけば、潜行深度を浅くするのは容易なのですが、リップに受けた水流を大きく逃させる為、ハイピッチアクションにはなりにくい性質があります。

逆に、ハイピッチアクションにするには、リップが水流を適度に掴む必要があり、よって潜行深度が深くなってしまいます。

この問題を解決したのが、大幅な形状変更とウェイト配分、そしてサーキットボードリップを採用することで、50センチの潜行深度とハイピッチタイトロールアクションを両立させる事が出来たのです。


上から1~5号機


1~4号機の、大きく張り出した背中とへこんだ腹、この独特なボディ-形状には理由があります。

大きく張り出した背中は、ルアー重心位置から、より離れた場所に浮力位置を持たせる事で、ルアーアクション時の反復運動を速くすることが出来るとともに、障害物接触時にバランスを崩したボディの復元力が早く、障害物回避性能が上がります。

また、へこんだ腹は、フック取り付け位置がボディ側にオフセットされる事で、フックがよりリップのガード機能の恩恵を受け、障害物回避に役立っています。

シャローエリアという場所柄、冠水植物や人工物のゴロタやゴミ等が多く沈んでいるため、
障害物回避性能を優先させる必要があったのです。

しかし、アクションの支点は、ウェイトのある腹側、リップ根元延長線上にある為、ごく僅かなタイトロールアクションでも、大きく張り出した背中によって、ルアーのアクションの振り幅が大きくなってしまい、結果ワイドアクション寄りになってしまうのです。


1~4号機はシャッドのようなタイトアクションではなく、
クランク的な波動の強いアクション。


内部構造やリップ等を取っ替え引っ替え試行錯誤しましたが、1~4号機のボディでは、理想とするハイピッチタイトロールアクションは不可能と判断し、大きく形状変更したのが最終モデルとなった5号機なのです。


5号機 


ボディ中心線を境に、上下均等に配分された形状は、アクションの支点が1~4号機より、ボディ中心側に寄るため、あらゆる速度でリトリーブしても、タイトロールアクションを発生させるのです。

ここで、膨らんだ腹によって、フロントフックがボディより外側に出てしまうため、前述した1~4号機のような障害物回避性能を発揮しなくなる、という問題もあったのですが、リップ角度の最適化と復元力の高いハイピッチアクションの恩恵で、障害物回避性能は維持しています。

また、潜行深度を浅くするには、必然的にリップを小さくする事になり、リップを小さくすると水の掴みが悪く、キビキビとしたハイピッチアクションは出なくなります。

水の掴みを良くするには、リップ面積の拡大や角度の変更か、リップを極限まで薄くすることで問題は解決するので、大きくしたり角度を変えると潜行深度や飛距離に影響を及ぼす為、後者のリップを薄くするという方法になったのです。


水掴みと強度を両立した、
サーキットボードリップ採用。


58ミリという限られた空間に、理想とする飛距離とアクションを生み出すため、マグネットと磁着タングステン球を採用し、キャスティングポジションからスイムポジションへ、スムースに変換する重心移動構造になっています。

キャスティング時には、全重量の約30%に当たるタングステン球が、ボディ最後部まで移動し、
着水からリトリーブ始めると、即座にタングステン球がスイムポジションに移動し、マグネットへ磁着固定され重心が一点になり、安定したハイピッチタイトロールアクションを発生させます。


スイムポジション時には、重心が一点集中になることで、
ウッドルアーかと思うほどのハイピッチアクションを実現。


この春、シャローが熱くなる!




それでは皆さん良い釣りを

 

 

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