こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
ここ一月余りほど、何かとバタバタと忙しい状態が続いていて、今年発売するアイテムの試作から、ほぼ量産品として形になった製品の最終調整等で、1日があっという間に過ぎ去っています。
現在、数アイテムを同時進行で行っており、ほぼ形になり本型作製に移行したものや、試作してみたものの、スイムテスト等で直ぐ様没になってしまうものなど、終わりなき闘いが続いています。
直近では、発売間近のデッドスクリューが生産体制の軌道にようやく乗りだし、少し肩の荷が降りた感じです。
| 全長130mm 重量28グラム |
このデッドスクリュー、僅かな水流をも回転運動へと導く特注クワトロウィングプロップがボディ前後に搭載されていることで、他のプロップベイトでは不可能なほどのデッドスローリトリーブで使用することを可能としています。
今回のプロップもアライブスクリューやカレカBITURBOに搭載し好結果を得た、ひよこブランド製、イマカツデザインオリジナルプロップを採用しています。
このプロップは、回転とともに「カチカチカチカチ」とシャッドクリック音を発生させる唯一無二のペラであり、ディープレンジのバスをもコールアップさせる効果があります。
| 詳細は次回のブログで! |
次に、ほぼ完成間近に迫ったブルバイソン。
ここ数年琵琶湖では、ビッグクランクベイトパターンなるものが一般アングラーに浸透してきたこともあり、マグナムクランクの可能性を確認するべく、イマカツでも開発に乗り出しました。
開発のベースにあったのが、約30年前、今江さんがJBTA(現JB)プロトーナメントの琵琶湖戦で使用し、好成績を叩き出したバグリー社製バンゴーB6インチ。
バンゴーB6インチは、マグナムクランクと言うより、マグナムミノーかマグナムシャッドと呼ぶにふさわしいスリムなボディ形状で、それをイマカツ的なアレンジを加え、今秋には発売出来るよう鋭意製作中です。
現在、琵琶湖プロガイドの藪田氏を中心に開発が進められており、ファーストプロトの段階で既に、50~60アップのデカバスからの良好な反応を得られています。
潜行レンジは、琵琶湖で一つのキーになる3~4メーターを基準に数タイプのモデルが存在し、テスト結果次第では、レンジ別に何タイプか発売するかもしれません。
| 形状も洗練されより使い易く進化中!! |
そして、昨年リリースし、ご好評を頂いた潜行レンジ3メートルのIK-300RS カオスダイバーの4メーターバージョンが今秋発売予定。
| IK-400RSカオスダイバー |
今年は、4メーターレンジを射程距離に収める為、IK-300RSを更に伸展させ、内部のウェイト形状およびウェイト配分ほぼ全て、一から設計しています。
キャスト時の余りの飛びの凄さに、メタルジグをキャストしているかのような錯覚に陥る
ほどで、またリーリング抵抗は軽く、一日中巻き倒せる仕上がりになっています。
| 既に最終テスト段階に来ている
IK-400RSカオスダイバー乞うご期待!!
|
今夏、最も話題沸騰するであろう、小南ハードルアー第二弾、通称「うちわ」。
| ヘビーウェイト級フラットサイドクランク
通称「うちわ」
|
琵琶湖全域に点在していると言っていいウィードエリアの中でも、バスが好むウィードにターゲットを絞り、効率よくバスを手にするために誕生したフラットサイドクランクベイト。
ボディは、数々のデカバスを捕獲し続けている小南ギルポップをベースにアレンジしており、リトリーブすると、まるで「うちわ」を扇いでいるかのように、ボディが大きく横に倒れ込む程のローリングアクションを発生する為、ボディに纏わり付いた水を大きく攪拌する水押で、ウィード内にいるバスに気付かせてバイトに持ち込みます。
リップには、アクションの切れを優先させるため極薄リップを採用、バスロイドJrにも採用している耐衝撃に優れた透明ポリカーボネート素材を差し込み式で採用しているため、ナーバスなデカバスに対して、ビジュアル的に違和感を与えない仕様になっています。
と、同時進行しているアイテムに囲まれながら日々過ごしている訳ですが、ここ最近、余り釣れていないと言う情報が入りながらも魚に癒やされたいと思い、先日、ルアーテストを兼ねて、いつも世話になっているシゲエモン艇に乗り込みました。
私は釣行時、何時もながらルアーテストに没頭してしまう、いわば職業病に悩まされることが多く、「このルアーで釣りたい病」なるものが発症し、頭の中では、その日のバスの状況が分かっているにも関わらず、ついついテストに明け暮れる事が多々あります。
この日の琵琶湖は、低気圧通過後の高気圧に覆われ、しかも大潮という、アフターのバスにとっては、食欲不振の真っ最中。
そんな中、ローライト時にはデッドスクリューにうちわ、風が出始めたらブルバイソンやカオスダイバー等をキャスとしながら、引き感や動き、潜行レンジをチェックする。
ライトリグには反応があるものの、食いが浅くフックアップには至らない。
ここ数年、この時期になるとバスロイドJrトリプルダブルがよく釣れると、プロアマ問わず琵琶湖のアングラーからの話を良く耳に入ることが多くなった。
シゲエモンも例外ではなく、バスロイドJrトリプルダブルが既にロッドにセットされていました。
朝から何の手掛かりを掴めない中、シャローエリアに入り、シゲエモンはバスロイドJrトリプルダブルをキャストし始める。
シャローレンジアイにセットされたバスロイドJrトリプルダブルは、強めのロールアクションを発し、所々に点在するウィードを躱しながら泳いでいく。
2投目だっただろうか、リトリーブ開始して直ぐにロッドが孤を描いた。
私は自分のタックルを置き、ネットを構え、バスが揚がってくるのをしばし待つ。
思ったよりもバスのサイズが大きいのか、中々水面に姿を現さない、魚影が見えた瞬間「デカイ!」とシゲエモンが声を発した。
無事にネットインし、トリプルダブルがすっぽりと収まるほどの大きい口に、皆の興奮がさめやらない。
| トリプルダブルをガッツリ!! |
| トリプルダブルで55センチ!! |
その後、類似するエリアを流しても、バスからの反応が得られず、ライトリグには反応あるもののサイズは良くない。
時間だけが刻々と過ぎ去る状況の中、気づけば、私もバスロイドJrトリプルダブルをロッドにセットしていた。
夕まずめを迎える頃、シゲエモンの操作するトリプルダブルに40アップがヒット。
| トリプルダブル凄いやん! |
私も同じトリプルダブルをキャストするのだが、一向にアタリすら無い。
その数十分後、またもシゲエモンにトリプルダブルで40アップがヒットする。
| トリプルダブル様々! |
この違いは何なのか、トリプルダブルのカラーは同じ、ラインの太さは同じ14ポンド、ラインの太さは同じポンド数でもメーカーによって違うから正確には異なり、そして決定的な違いは、リールのギア比とロッドの堅さだったのです。
シゲエモンの使っていたリールは、ローギア仕様で私はハイギア、ロッドも私が使っているロッドよりも若干柔らかい。
この差が、ルアーアクションから潜行レンジに至るまでの僅かな差が生まれ、釣果の差に現れたのではないかと推測しました。
| タフな状況ほど、
ちょっとした差が釣果に影響する!?
|
その後、私には何もなく、マリーナに向かうのであった。
それでは皆さん良い釣りを
|