特定外来生物被害防止法情報&ラスト?パブコメ開始。
もう皆さんご存知かと思うが、残念ながら22日金曜日、特定外来生物被害防止法指定リスト第1陣に、ラージマウスとスモールマウスが入ること、そして6月1日より施行されることが閣議決定された。
結局、琵琶湖のときと同じく、パブリックコメントに関してなんら大きな影響も見られることなく、すんなりと予定通り決まってしまった。
この週末、環境省が発表した飼養に関するパブリックコメントの回答及び、法令細目の詳細内容を読み下すのに相当な時間がかかった。この飼養に関するパブコメの環境省回答を見る限り、まだ釣り人に対する本当に肝心なことはほとんど決まっておらず、本当に6月1日からどうなっていくのかは私自身も理解できていない。そして、環境省の事務的な回答、指定賛成派の過激な規制意見の多さにも驚いた。

ただ、現時点でハッキリしていることは「キャッチアンドリリースは問題なし」という点と、かなり難解だったが、施行規則第9条追加項目によって河口湖、西湖、山中湖、芦ノ湖の、既に漁業権が取得されている4湖に関しては、流出防止等の設備を条件に飼養が認められる例外措置がなされたことである。これは環境省のHPには具体的に書かれてはいないが、山梨県日日新聞 に発表されており、まず確かな事実のようだ。
しかし、今回パブコメの対象として発表された、飼養に関する特例の細目の中には「既に漁業権(魚種認定)の確立されている」という項目が入っており、今後新たに漁業権が確立された場合については全く触れられていない。
おそらくこれは今後はバスの魚種認定を認めないということに他ならないだろう。

ちなみに漁業権、魚種認定の取得とは、漁業権を与えられた魚種は同時に「養殖、放流」の義務が発生するということ。種の漁業権を認めるということは同時に資源の枯渇を防ぐ意味で、繁殖を義務付けられるということだ。
現在この漁業権に関し、全釣り協の提案によって、バスに将来漁業権を与え地域貢献が出来るように、「養殖の義務を伴わない漁業権制度」が農林水産省に提案されている。これはどういうことかというと、漁業権がなければ基本的に地元漁協は釣り人から「入漁料」を取ることが出来ない。この養殖放流義務がない漁業権が生まれれば、バスで迷惑をこうむっている漁協も一般バスアングラーから入漁権を徴収することが出来、その収入を、在来魚保護や漁の対象となる魚種の放流資金などに当てることが出来るという案である。
しかしこの案も、今回の飼養等の細目によれば将来漁業権を取得できる見込みが限りなく低くなってしまうため、結局、実現不可能な状況になってしまうだろう。

今回再び、この施行細目に関してパブコメが始まったが、将来、何らかの形でバスが公認される地域を増やすためにも、「既に漁業権を得ている」の「既に」をはずしてもらうこと、そして「今後新たに漁業権が取得された場合も認めて貰える事」が今回募集のパブコメの重要な争点になりそうである。

またその他にも、非常に重要な情報がある。
今回の 環境省パブコメ回答には、釣り大会に関しての「移動」の質問に対し、「運搬、釣り大会に関しては地域や状況に応じて内容が異なるため、別途個別に取り扱いを検討する」とされている。そしてこれを受けてか、同日の ASAHI.COM では、環境省野生生物課の担当に「南湖で釣ったバスを北湖で放したら移動になるのか?」という質問に対し、「移動に当たるような気がします…」と、なんとも曖昧な返事を掲載している。

現実、琵琶湖はリリ禁なんだから、こんな質問自体がナンセンスに思えるが、水系が同じでも距離が長いとダメなの?とか、マリーナにバスを預けるためにライブウエルに入れて持って帰ってもダメなの?とか釣り人の不安は広がるいっぽうである。ライブウエルに入れてマリーナに持って帰れなければ、その場でリリースするか殺すかしかないわけで、その場でリリースできない琵琶湖は、釣ったら即殺すしかないことになってしまう。これでは仮に駆除名目で釣り大会をやって、飼養が許された河口湖に移動譲渡の許可が正式に取れたとしても、琵琶湖の中で移動が出来なければ始めから話にならなくなってしまう。釣りの作法に関わる規制はしないといっておきながら、いまだハッキリとした答えは不透明である。

今回のパブコメには、この点に関してしっかりとした意見を書かなければ、それこそ環境省側も細かい規則を作るのが
面倒くさいから、通り一遍の「移動禁止」になってしまう恐れが充分にある。
前回の飼養に関するパブコメの総数は900件弱。このパブコメはどちらかというと管理釣り場や漁業権関係者に関することがメインだったため、この件数は理解できるが、今回は事実上ラストのパブコメになるかもしれない。

最近なんだかスポーン絡みで各地でデカバスがバコバコ釣れ始めたせいか、この危機的な状況に対して関心が薄れているのが非常に不安に思う。本当は今一番頑張らなければならない時なのに、業界自体もバスプロも一部関係者を除いて何故か動きがほとんど見えない。
とにかく、今回のパブコメの争点は、この2点。
もう一度、10万パブコメの時のように、全員で協力して意見を述べるときだと思う。
皆さん何卒ご協力お願いします!!!



 

 

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