title

巻物の秋
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

11月の半ばを過ぎ去ろうというのに、今年は例年よりも暖かく過ごしやすい気候が続いています。

とは言っても、深夜から明け方に掛けての冷え込みは、日を増すごとに、体にはキツく応える程の寒さになってきています。

今年の11月の琵琶湖は、木枯らし1号に代表される強風等で発生した水の濁りにより、バスの警戒心が薄れたためと、秋特有の横への動きに反応が良い事が重なり、気象条件と湖との条件がリンクしたために、クランクベイトやバイブレーションプラグへの反応が非常に良いです。

徐々に下がり始めている水温により、通常のリトリーブスピードでは魚の反応が悪く、超高速リトリーブによる、リアクション要素を加味してやらないと、魚は簡単に口を使わない状況のようです。




そんな状況に、先月末にヒントを掴んでいたシゲエモンからお誘いがあり、晴天にほぼ無風から微風という天気予報の12日に、巻物メインで湖上へ浮いた。

この時期、私が琵琶湖へ来ると必ず強風が吹き荒れると、定説になりつつあるのですが、今年は少し傾向が違うようで比較的安定した気象に恵まれた。

この日も、予報では南の風のち北の風、風速1メートル、巻物には穏やかすぎると内心不安要素があった。

出船後、季節の移り変わりを確認するためのファーストエリアに到着、バスの反応をみるも全く反応無し、水中は思ったよりも季節の移行は進んでいるように感じ取れた。




セカンドエリア以降は、今回のメインである巻物に徹した。

魚探画面に、水深3.5~4メーター前後でベイトフィッシュが頻繁に映し出され、水温は14度と表示されていましたが、ここ最近の冷え込みにより、10月末に比べ4度ほど低下しているとのこと。

水温は急激に低下したのではなく、2週間ほどでゆっくりと低下していたためか、ベイトは浮き気味で巻くには良いシチュエーションだった。

私とシゲエモンは、IKクランクメインにウィードの生え具合に合わせて、各深度別のクランクを使い分けながらローテーションさせていく。

リトリーブスピードは、超高速リトリーブ。

そんな中、ひとり無言でバスとファイト中の彼がいた......

ファーストフィッシュを手にしたのはビル男さん、DPS社製コリガンクランク、キンクロカラーをキャストし、超高速リトリーブで40アップをキャッチ。

幸先のよいスタートである。




このビル男さん、スーパーキラービルを溺愛していて、日本で5本の指に入るほどのスーキラマニア、以前は季節に関係なく年中スーキラをキャストしていたほど。

その後、IK-400Rをキャストしていたシゲエモンに待望のヒット、その後、私にもプロトタイプのニューIKクランクで40アップがヒットする。

このプロトは、2017年に向けてのクランクプロジェクト再始動第2弾、今回のために急遽作製し持ち込んだもの。

その後もプロトクランクで40アップを2本、35アップを一本追加する。

今回、比較のためにIK-400Rと使い比べ、IK-400Rと同じカラーに塗装したプロトクランクを交互に使用した結果だった。

シゲエモンは、水中の状況を把握しているかのようで、IK-250、300W、400Rで35~40アップのバスを次々にヒットさせていく。








バスがヒットした場所は、青々としている堅いウィード周辺で、枯れ始めて弱々しいウィードエリアとの差は歴然であった。

エリアを外れるとバスのバイトは皆無に等しく、良いエリアに何度も入り直す。

空腹感に見舞われた11時半過ぎ、私は休憩を兼ねて昼食に入ろうか考えていたのですが、次のキャストでバスがヒットするかもしれないと考えてしまうと、キャストする手を休めることが出来なくなっていた。

11時45分、超高速リトリーブのあまり、疲労こんぱいでそろそろ昼食にしようかと考えながら、プロトクランクが最大深度に達し、スイム軌道が変化する直前に「ドスーン」と引ったくるアタリがあり、クランキング用に長年愛用しているスカイスクレイパーが孤を描いた。

ボート際での激しい突っ込みに何度も耐えながら、ようやく揚がって来たのは、プロトクランクをハーモニカ喰いしていた56センチ、2キロ越えのバスだったのです。


このプロトクランクへの疑念が確信へ変わった瞬間だった。


イカツイ顔!



その後、似たようなエリアに行くも、バスからの良い反応は得られず、反応の良いエリアに何度も入り直すと、最近、琵琶湖で最も熱い、噂のビッグクランクベイトをフルキャストしていたビル男さんに待望の50アップ。


こう見えても50アップ!
ルアーデカすぎ!!


ラッキークラフト社製、スキートリースプロデュースのSKT
パッケージ表示では5メートルも潜るらしい!?
(IK-400Rとの比較)


日差しが西へ傾き始めた頃、バスのサイズに伸び悩んでいたシゲエモンに、50センチに1センチ届かずの49センチをIK-400Rでヒット。


シゲエモンに49センチ!

超高速リトリーブでも丸呑み!!


前述したように今回のクランキングは、クランクベイトを超高速リトリーブで使い、リアクションで釣っていくのですが、フルキャストで約40メートル、リールギヤ比6.2:1、ハンドル一巻き66センチのベイトリールを使って、リールのハンドルを約60回フルスピードで巻き続ける。

タイマーで計測してみると、キャストから超高速リトリーブ、次のキャストまで20秒弱、一分間に約3キャスト、1時間で約180キャスト、休憩入れても8時間半は巻いたので約1500回以上キャストした事になる。

手首は痛いは、腕はパンパン、みんなの口から「シンドイ、腕がイタイ」と悲鳴がこぼれる。

むしろ、一番悲鳴を上げていたのはリールかもしれない......


それでは皆さん良い釣りを

 

 

TOP OF THIS PAGE