title

パチ・パチ・パチ・パチ
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

ここ数年、最高気温を更新するほどの夏の暑さは、異常と呼べるほどの事態で、フィールドによっては水温が30度を超える場所も多く、真夏は、日中よりも朝、夕マズメ時の時間帯にバイトが多いように感じます。

西日本を襲う灼熱さとは打って変わって、東日本は台風による被害が心配されますので、台風情報に十分注意して下さい。

昔から言われている「暑さ寒さも彼岸まで」と言われているように、9月中旬頃を過ぎるまではしばらく暑さは続きそうなので、熱中症などに気を付けましょう。

さて、ここ最近のラボでは、年末から来年に向けての製品開発を手掛けながら、9月頭には店頭に並ぶ小南ギルポップが順調に生産稼働しているか配慮している毎日です。


全長120㎜
重さ44.5g


琵琶湖をホームグラウンドとし、数々のビッグバスを射止めてきた小南氏プロデュースによる、全く新しいカテゴリーとして誕生した小南ギルポップ。




名前はポッパーと付いていますが、アクションを見てみるとこれはポッパー!?ペンシルベイト!?ダーター!?それともジャークベイト!?と思わせる多彩な動きを発するのが特徴で、はじめて手にした方はどのようにアクションを付けたらいいのか戸惑うかもしれません。

普通にトゥイッチすれば、ポップ音を発しながら、首を左右に振るドッグウォークアクションをしますが、少し強くトゥイッチすれば、小南ギルポップは数十センチダイブさせることができます。

小南ギルポップがダイブしている時に、ジャークアクションを加えることで、左右にスライドアクションを発し、あたかもホンモノのギルがヒラを打つような動きを演じます。

上手くアクションさせられるようになると、フィールドの状況を考慮しながら使用するラインの種類や太さの組み合わせによって、小南ギルポップは、ダイビングする水深と浮上スピードを変幻自在に操れるようになります。

比重の大きいフロロカーボンラインを使用すればダイブさせ易く、ダイブからの浮上スピードは、使用するラインの太さによって変化します。

16ポンドを基準とした場合、浮上スピードを上げたければ水流抵抗の少ない14ポンド、浮上スピードを抑えたければ18ポンドと使い分けることで、フィールド状況に合った、よりシビアなセッティングが可能です。

また、比重の小さいナイロンラインを使用することで、ダイブさせることなく、水面をスピーディーにサーチさせることも可能です。

簡易的な方法として、小南ギルポップボディ本体にシールタイプの板オモリを貼り、ダイビング深度と浮上スピードを変更する事も出来ますが、ボディに板オモリを貼る事でルアーの浮き姿勢が変わり、ポップ音やアクションが悪くなる場合があるので、ルアーチューニングに慣れていない方にはオススメしません。


トライ&エラーの数々


ダイビングからの浮上、そして水面で大口を開けて呼吸するかのごとく「パチパチパチパチ」と鳴り響く、小南ギルポップラトルシステム。

このラトルシステムに使用している金属のボールには秘密が隠されており、単に金属のボールであれば何でも良いという訳ではありませんでした。

素材の選定から100分の1ミリ単位に及ぶ径の差による音の違いに、幾度となく試作を繰り返し、目標とするマスター音に近づけていく作業の日々でした。


パチパチ音を発するラトルシステム公開!


その甲斐があり、完成されたラトルシステムは、水面が少しでも波打っている限り、半永久的に「パチパチパチパチ」と鳴り続けます。

通常のラトル入りルアーは、アクションを止めてしまうと波程度ではラトル音は鳴り続けません。

これは、ラトルを設置している場所とボディ形状が関係しており、多くのルアーはボディ下部にラトルを設置しているため、一度左右どちらかにラトルボールが寄ってしまうと、それに伴ってボディ姿勢がラトルの寄った方に僅かに傾いてしまう為、ラトルボールが左右へ行き来しなくなってしまうのです。

波の揺れによるラトルボールを鳴り響かせるための適した設置場所は、ルアー体高の中心線上が良く、ボディが左右へ傾いた時の傾斜幅が一番小さい場所が、ラトルボール重量によるルアーボディに及ぼす重心位置変化が少なく、傾斜幅が小さいが故に、ラトルボールが左右へ行き来しやすくなります。

また、ルアーボディ形状は、波の動きを受けやすく、左右バランスを崩した後の復元力が高い、扁平形状で体高の高い形が適しており、メインウェイトを低重心化することで、波の影響によるボディ傾斜後の復元スピードは早くなり、結果、ラトルボールがボディ内壁へヒットする回数が多く生まれるのです。

フィールドで起きている波の強さと周期は一定ではありませんから、全く同じパターンでラトルが鳴り響く事は無いため、バスが学習し辛い、という要素としては完璧なシステムかもしれません。


もうしばらくお待ち下さいね!

これは一体なんだ!?


それでは皆さん良い釣りを

 

 

TOP OF THIS PAGE