こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
5月も終盤になり、雨期を迎える6月に入ろうとしていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
西日本のごく一部の地域では、既に梅雨入りしており、6月初頭には日本各地で梅雨空になりそうです。
梅雨期に限らず、いつ何時、雨が降っても快適に釣りができるよう、釣行時に雨具は常に携帯していますが、濡れると一番不快な足下のために、長靴や防水性の高いシューズを常備している方は少ないと思います。
少量の雨ならば、通常のスニーカーで凌げるでしょうが、大雨になるとレインウェアを伝った水滴がスニーカーへ吸い寄せられるかのように染み込んで行き、次第に靴下を浸食、歩くたびに「グチャグチャ」と不快度指数MAXへ。
このような経験者は多いと思います。
防水性、透湿性 を謳っているゴアテックス製のシューズに、滴るほどの撥水スプレーを吹き付けても、雨水の侵入を完全に防ぐことは出来ません。
いくら撥水スプレーをコートしても、雨水と一緒に流れてしまうためか、シューズの縫い目や表面を雨水が伝わり、いつの間にかシューズ内部が濡れてしまっている事が多いのです。
かといって、長靴のようなゴム系シューズは完全に雨水の侵入を防ぐことは可能ですが、透湿性は全く期待出来ない。
蒸れず雨の侵入のない快適なシューズはないものかと、パソコンで検索開始、まあまあ良さそうなシューズは検索ヒットするものの理想とするものは皆無。
パソコンモニターにシューズ画像が乱立する中、シューズに関連する撥水スプレーらしき画像が飛び込んできた。
「ウルトラ・エバー・ドライ?」
サイトの片隅に、商品説明の動画が観られるようになっているので早速クリックしてみた。
「こっ、これはス・ゴ・イ!」
動画
海外製で、この怪しげなネーミングと商品にヒットした私の頭の中は、あるものに、この「ウルトラ・エバー・ドライ」を試したくて、数分後には購入手続きを終えていたのであった。
そのあるものとはルアー、それもトップウォータールアーに「ウルトラ・エバー・ドライ」をコートしたらヤバイ事になるのではないか、水を全く寄せ付けないということは......と妄想が膨らむばかり。
入手後、おそらく世界初の試みであるルアーへの実験をしてみた。
この後、予想以上の展開になるとは......
| ベースコートとトップコートの2工程 |
| 一番試してみたかったアベンタクローラーに実験開始!! |
| パーツを外し、脱脂します。 |
| ベースコート施工後。
若干白っぽい液体のようです。
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| トップコート施工後。
さらに白くなってしまった!!
素材に関係なく、質感が多少ザラ付いて白っぽくなるようです。
でも気にしない、気にしない......
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| 乾燥後、組上げたら完成。 |
| 比較のため、ノーマルアベンタと一緒にプールへ浮かべてみる。
水面に浮いていると言うより、水の上に乗っかっている感じ!
コーティングした方はバルサウッド並みに浮力がアップしていた!?
浮き姿勢にも注目!
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| 水面とルアーボディの境界面に注目。 |
| 魚目線の様子。
シルエットがはっきりした方はコート無し。
予想通りボディ全体が銀膜に覆われた!!
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この銀膜、昆虫等が水面に落ちても同じように起きる現象で、体表面に覆われた微細構造によって、体表と水との間に空気の層が出来、この空気の層に入ってきた光を全て反射するために、このような銀膜に覆われるのです。
銀膜に覆われた物体は、シルエットや模様が明確に見えない為、バスには見慣れた自然現象であって、騙しやすくスレにくいと思われます。
トップウォータールアー以外にもコーティングすると、面白い発見があるかも知れませんね。
ルアー等へこのコーティング塗料を施すと、質感、ルアーアクションが変わってしまうので、試す場合は自己の判断に委ねます。
あっ!シューズにコートするのを忘れていた!
それでは皆さん良い釣りを |