こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
季節の移り変わりは早いもので、それは同時に新たな出会いと別れの季節でもあります。
もう皆さんはご存知かと思われますが、霞デザインのルアーデザインを手掛けているカノアツこと狩野さんが新たな船出に旅立ちました。
10月から霞デザインOFFICEとして新会社を設立し、今まで以上に狩野さんらしい独創的なルアーを生み出していくことでしょう。
狩野さんとの出会いは、私が以前勤めていた釣具メーカーで、トーナメントに特化した事業部が立ち上がると同時期、霞ヶ浦を拠点とするトーナメント団体、W.B.Sに所属する狩野さんをサポートプロとして迎え、霞ヶ浦でのルアーテストに同船させて頂いたのが始まりだと記憶しているので16、7年程前になります。
テストだけでなく、W.B.Sの試合にも誘って頂いて参戦した事もありました。
出会った当初から、初対面で誰でも直ぐに打ち解けられる気さくなオッサン!?(自分もオッサンですが)で、なんと言ってもお笑い芸人顔負けの饒舌ぶりは今でも健在です。
そんな狩野さんとの出会いだったのですが、私の勤めていた会社が無くなると同時に、後の4、5年間は全く連絡を取ることもなく月日が過ぎていくのでした。
そんなある日、狩野さんがIMAKATSUでルアーデザインの修行を始めると言う話が今江さんから舞い込んできて、「あの狩野さんがルアーをデザインする!?」と驚きと同時に、「どんなルアー作るのだろう」と楽しみでもありました。
それからは頻繁にIMAKATSU工場にも訪れ、釣れるルアーのアクションはあーでもない、こうでもないと話し合い、時には狩野さんの作った試作ルアーの駄目出しなど、お互いに刺激されあったのは良い機会でした。
そんな事を繰り返し、後の霞デザインルアー達が誕生するわけですが、狩野さんの凄いところは発想力に富んでいることでしょうか。
独創的と言うか、わかり易く言うと、人物同様「奇天烈」と言う言葉が相応しいかと思います。
奇天烈とは、「非常に風変わりであるさま、珍妙なさま」と言う意味なのですが、実はルアー作りに於いて忘れてはならない一番大事な部分なのです。
皆さん、スピナーベイトを思い浮かべてください、このスピナーベイトを作った人は凄いと思いませんか?
この完璧に近い無駄のないシルエット、しかもスナッグレス性能に非常に優れている形状の完全体。
これを初めに作った人は、ここまでスピナーベイトが世に認められ、普及するとは思ってもいなかったはずです。
ルアー作りだけでなく、この「奇天烈」が新たな発見や発明に繋がるのです。まあ、キワモノと紙一重ではありますが。
今後は更に、霞デザインOFFICEから目が離せなくなるのは間違いありません。
そして、ホサキングこと穂崎裕太も新天地に旅立ちます。
やはり、今の日本でプロアングラーとして生計を立てていくには、余程の才能と環境が整わない限り非常に厳しい現実があります。
穂崎本人は、もう釣りを辞めようかと考えた程悩んでいたそうですが......
ホサキングがIMAKATSUに来たのが5年前、入社した当初はルアー生産の現場での作業も経験し、ほぼ毎日のように釣り場探索に血眼になりながら頑張っていました。
ホサキングは、釣りのセンスはもちろん、ルアー作りの器用さも私が認めるほどの腕前は持っています。
そしてホサキングは何かを持っている人物なのは確かです。
メキシコ釣行でのバスロイドでダブルヒット然り。
魚を良く釣る人の特徴ってあるのですが皆さんご存知ですか?
IMAKATSUのなべちゃんこと渡辺さんもですが、ホサキングも同じく強いオーラみたいなもの!? が身体から出てないのです。
釣りの時だけでなく普段から。
私は超能力者ではありませんが、魚を良く釣る人は皆、この目に見えないオーラみたいなものが出てない事がわかったのです。
別の言い方をすると気配がない、「存在感が薄い」(悪い意味じゃなくて)。
この身体から出るオーラは、釣りの時には釣りたいオーラに変わり、魚に感付かれる事になってしまい、野生を生き抜く生物には直ぐに伝わってしまうのです。
(今江さんみたいに、強烈なオーラで押し切れる類稀な人もTOPプロには数人いますが…。)
この釣りたいオーラを掻き消す方法は、多くの時間をフィールドに費やす事で次第に薄れていくと言う特徴も持っています。
私は常に釣りたいオーラが中途半端に出まくっているのが原因か......
引き続き、ホサキングのブログ&パートタイムプロとしての二束の草鞋は継続するのでこれからも目が離せませんよ。
今後の2人の活躍に期待します。
それでは、皆さん良い釣りを |