こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
猛威を振るっていたインフルエンザウィルスに感染しないように、新年来到マスクマンと化した出で立ちで過ごしていましたが、最近インフルエンザに感染と言う話はめっきり少なくなってきました。
ここに来て、ようやくマスクから解放されると思いきや、次に来るのは毎年恒例のスギ花粉に、大陸から偏西風に乗ってやってくる黄砂という嫌な奴と遭遇しなければなりません。
当分、マスクから解放されそうにありませんね。
日本を脱出するまでは......
さて、現在開発室では様々なアイテムのルアーを試作し、テストを繰り返しているのですが、前回のブログで少し触れていた某ミッションが急遽発令されたため、開発アイテムの優先順位が狂いだし、デスクの上はルアーの部品でごった返えす始末、頭の中はオーバーヒート寸前で機能停止一歩手前です。
このミッションでは、5つ程のアイテムを同時進行でテストしなければならず、そのためのルアーを急ピッチで試作し、結果によっては直ぐに本金型へGOがかかる可能性が有るため気を抜けません。
ルアーと言う物は、実際に魚を釣って初めてその問題点や解決の糸口が見えてくる物であり、テストがいかに重要か身にしみて分かります。
テストによって、あらゆる角度から検証し、問題点が見つかれば改善処置を施すと言う、地道な作業の繰り返しによって次第に完成され、洗練された形に成長して行くのです。
そうやって生まれたルアーは必然的に機能美を有した形に落ち着く事が多いです。
| アイアンマウスの新機種!? |
幾つものプロトタイプルアーを作り、その中から他より抜きん出たタイプのルアーが見つかる事もあれば、何気なく作った、ファーストルアーが一番優れたタイプとして誕生する事もあります。
後者の場合、やり込めばやり込むほどイメージとかけ離れた物へと移行していき、次第に当初のコンセプトを見失う為、何が良くて何が悪いのか判別不能に陥りやすくなります。
そのような事を避けるためにも、私の場合、直感で良いと思ったファーストプロトのルアーは必ず原型を留めた状態で保存しておきます。
よくあるのが、もう少しここをスリムにしたら良い動きになるのではないかと、徐に良いと思われるファーストプロトを削ってしまうこと、
削り、スリムにする事で動きが良くなれば良いのですが、削ってしまった時点で、もう元には戻らないと言う事です。
「もう一つ同じ様に作ったらよいでしょ?」
と思われるかもしれませんがファーストプロトと同様に、エイトリングの位置や高さ、リップの角度などを再現しても同じ動きになることは略無く、それには幾つかの理由があるのですが、今回はここまでで、また次回。
さあ、ルアーを作らねば......
それでは、皆さん良い釣りを
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