こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
3月末に入り、先日までの冷え込みが嘘のように感じられ、日に日に気温は上昇しているため関西では各地で桜の満開を迎えています。
桜が咲き始める頃になると、桜前線とリンクするかのようにバスの活性も日本列島を北上しているようで、各地で釣果の報告が多くなってきました。
関東の霞水系も例外では無く、ここ最近は釣果が伸び始めているようで、春のワカサギ・シラウオパターンに代表されるミノーイングで釣果が出ているようです。
| GEKIASAⅢ COMPLETER
全長130ミリ
重さ16グラム
フローティング |
4月頭には店頭に並び始めるGEKIASAⅢ COMPLETER。 GEKIASAシリーズは第三世代を迎え、より投げやすく、より飛んで、シャローを効率よくスピーディーに攻められるよう、初代GEKIASAのコンセプトは継承しつつ大幅にバージョンアップ。
ボディ内部、メインウェイトに磁着タングステン球を装備し、キャスティング時には、ボディ後方へと磁着タングステン球がスライドして後方重心になることで、キャストフィール、キャスタビリティー共に向上しています。
| 重心移動ボール
キャスティングポジション(上)と
スイミングポジション(下) |
イマカツでは初の磁着タングステン球による重心移動システムな為に、IK-JERKと同じく、ここでもやはりマグネットと磁着タングステン球との磁着強度テストが頻繁に行われ、最適な磁着強度を探し出すのに苦労しました。
その甲斐もあり、キャスト時には簡単にタングステン球がマグネットから外れ、トゥイッチやジャークでは、タングステン球がマグネットから離れない無音設計に出来たのです。
| マグネットと磁着タングステン球
相性があるのです! |
そして、重心移動ルアーに有りがちなルアーが着水してから泳ぎ出しまでのタイムラグ、後方重心にすればするほど飛距離が出る代わりに、重心がスイムポジションに戻り辛いことによるルアーの泳ぎ出しの悪さですが、GEKIASAⅢ COMPLETERは、リールハンドルを半回転するだけで重心移動ボールは即座にスイミングポジションへ移行するように、全体のウェイト配分に注目すると共に、重心移動ボールが転がる内部リブ角を最適な角度になるように、何度もテストを繰り返すことで泳ぎ出しの悪さを克服しました。
| 重心移動ボール後方リブ
スロープ角度がキモ! |
アクションの要でもあるリップ形状は、GEKIASAⅡを継承し、半リーフ形のリップによりロール6:ウォブル4の比率でバランスの取れたタイトローリングアクションを発生させ、バスを魅了させます。
| 適度に水流を逃すリーフ形状リップ。 |
ミノーは細身なうえ容積が少なく水押が弱い為、どうしても他のプラグに比べ水中でのアピールが不足しがちです。そこでミノーの存在をいち早くバスに気付かせるために、イマカツではミノーの一部製品に極小ラトルを入れています。GEKIASAⅢ COMPLETER内部にはグラスラトルを入れ、シャッドクリックにも似たサウンド衝撃波でバスにアピールします。
| 甲高いシャッドクリック音を発生。 |
初代GEKIASAは、リーリングからのストップでルアーが急浮上する事でバスに見切られないようにしていましたが、GEKIASAⅡからはルアーボディがロールしながら浮上するシミーライズアクションを取得したことで、バスに見切られ辛い眩惑効果を発揮します。
このシミーライズアクションは、ルアーの形状、浮上角度と速度に物凄く左右されるのですが、もう一つ影響を与えるのがルアーに付属している針なのです。
GEKIASAⅡを開発している時には、何も問題なくキレイなシミーライズをしていたのでGEKIASAⅢ COMPLETERも簡単にシミーライズアクションを出せるだろうと思っていました。
ところが、トレブルフックが3個になった途端、シミーライズアクションを全くしなくなってしまったのです。
ルアーは、針の影響をダイレクトに受ける事は承知の事実であり、フックの本数やコンマ数グラム針の重さが変わるだけで、全く別のルアーになる事もあるぐらい絶妙なものなのです。
最終的には、浮上時の角度とウェイト配分を変更する事でこの問題は解決に至りましたが、フックの重さや水流抵抗がルアーに与える影響が恐ろしいほどある物だと改めて感じました。
| シミーライズ角度
斜め約45度で浮上します。 |
使い方はただ巻き、ストップ&ゴー、トゥイッチ、ジャークを混ぜながらのただ巻きなど色々な使い方ができますので、ハイフロートを活かしたスナッグレスを武器に果敢に攻めてみてはいかがでしょうか。
それでは皆さん良い釣りを
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