馬淵のコダワリ・バスは蛇好き?の巻
龍の次は巳こと蛇年。 蛇並みに執念?だけは負けないので、今年はヘビー級の執念でTOP50チャンピオンを目指します。 ヒマです。ヒマすぎて窒息死しそうな勢いです…。忙しいのも嫌だけど、ヒマすぎる正月は大の苦手です。 と言う事で、今回は年末リリースとなった蛇系?ワーム「イールクローラー」こと「鰻ワーム」のお話。 年末に出荷された、一見、地味すぎるほど地味なイ―ルクローラ―。 しかし、そのコダワリは実はディープすぎる程ディープな逸品。 この鰻はもともと馬淵がトーナメントで絶対に必要と言う事で、必要なら自分の拘りをカタチにしてみろと言う事で夏前からプロトをテストし続けたもの。 基本的にはスワンプクローラータイプの張りのあるネコリグ系ストレートワームなのだが、 馬淵は「釣れる素材の張り」、そして泳がせた時の「釣れる振動」に強いコダワリを見せていた。 コイツはプロトに不満があるとすぐに顔に出る。 ムカついてムカついてしゃーないけど、ホンマに一番、その時に釣れるものしか使ってくれません・・・。 馬淵は理屈で説明すると頭が速攻オーバーヒートする感覚的な人間なので、その「釣れる感覚」を形にするには大概、苦労の連続。と言うか、意見を聞くと素っ気なさ過ぎてムカつく。 でも、逆にツボを付いたルアーや、自分が知らなかった本気系の裏技(最近ならアンドロ)には目を爛々と輝かせながら喰いついてくるから解り易い奴でもある。ま、馬淵と付き合うコツは我慢ですな…。ワシも30歳代だったら電光石火でキレてます。 まだ、この時点では気に入ってもらえなかったイールクローラー。 見た目は同じでも動きに異様なほどこだわる男である。 しかし、馬淵の開発したルアーは確かに地味だが玄人筋を唸らせる何かがある。マブワーム、マブクロー共に何故か微妙に腹が立つから積極的には宣伝しないが、試合で一軍ボックスから一度も外れた事はない。だから微妙に腹が立つのだが…。 満面の笑みで完成したのはクラシック直前でした。ようやく馬淵ですから…に登場させていただけました。 今回のイールクローラーの拘りは馬淵が厳選した「素材の張り感」と成型時の「バリ」を生かしたワームの自然な微震動。昔からワームの成型時のバリが絶妙のキモになっている事は、リングワームやネコ系ワームでは知る人ぞ知る秘密の一つだった。微妙な震動と外周に膜の張った様なシルエットの曖昧さが良かったのだろうか、金型が綺麗になった途端、イマイチになるってこともあったほどだ。シンプル過ぎる程シンプルなストレートワーム故に、逆に絶妙なコダワリが重要なのだろう。 この鰻の鰭の様に見えるバリ状の膜がイールクローラーのキモ。 ネコリグではこの面が水を受けるようにセットするのが馬淵のコダワリ。 ただ、確かにこのワームの基本性能は凄い事は解るが、自分的には何かもう一工夫欲しかった。そこでこのワームに昔から自分がちょっとしたシークレットしていた「ジグヘッドワッキー用チューン」を簡単に出来るブリスターの型を付けることにした。 一見、何これ???と思われた方も多いのでは?。 実はコイツがシークレットモールドなんです。 このワームのパッケージの中には、一見、何の意味があるのか意味不明なS字状の透明シートが同梱されている。実はこれが、自分がストレート系ワームを昔からジグヘッドワッキーやヘビダンで使う時に「S字状のクセを付けるための型シート」なのだ。 こんな風にワームをはめ込み1週間ほどクセ付けします。 モエビパウダーをマブしてはめ込むとクセ付きが早く、味も染み込んで一挙両得。 ストレートワームをジグヘッドワッキーや、DSで使うと、どうにも動きが単純なため、秦プロが曲がったワームを初めてプロデュースした年、自分もそれを真似て小さなパッケージを利用してストレートワームをS字状にクセ付けしていたのだ。ただ、ワームがパッケージの中でヌルヌルと動いてしまうため、かなりめんどくさい作業だったので、今回、このワームの作成を機に「クセ付け用の専用型」を作ってみたのである。 昔はバークレーの極小ワームのパッケージ等を使い、ワームをS字に丁寧に曲げて押し込んでクセ付けしていた。 一本取りだすと他のワームがすぐにUの字になってブチ切れそうになります・・・。 モエビパウダーは滑り止めにもなります。 このクセの付いたワームの効果は、2011年に旧吉野川上流部でバスが鰻を追い回しているのを目撃し、USバークレーのソルト用ワーム、「ガルプ・イール8インチ」を試した所、真っ直ぐなイールには無反応なバスが、曲がりくねったクセの激しいイールでは、置いているだけで喰いに来たという経験で決定的なモノになった。曲がったワームは動かしたくなるが、逆にあまり動かさない事でこそ、そのシルエットの「静止生命感」が発揮されるように思う。 モトネタはUSバークレーの海用ガルプのリアルイール8インチ。まともに真っ直ぐなモノはワンパックに2本もない。 ほとんど無茶なクセ付きまくり・・・それが凄かった。 ソルト用で豪硬激太鰻だが、琵琶湖では密かなシークレット。でもカタログにも載ってません。 ちなみにイールクローラーをウナギと呼んでいる理由は、長野県野尻湖でデカラージマウスとデカスモールが群れで鰻を追い回している姿をたびたび練習中に目撃しており、バスも人間も旨い鰻には強い興味を示すからでもある。 シンプルなストレートワームなのだが、このワームには馬淵の「釣る」ための絶対的コダワリと、私の経験的工夫がスパイスとして加えられた、相当キテるトーナメントワームなのであります。 これはS字状にクセを付けた後のイールクローラー。 ジグヘッドワッキーやヘビダンでは痺れる動きなので、是非試してみてください。 |