TOP50第3戦檜原湖閉幕
2試合連続、優勝に片手を掛けながらの最終日失速・・・。
毎試合、決勝のあと1尾が獲れない苦悩が続く。
3日間、自然を相手に爆発力を維持する事は本当に難しい。


                                     
2012年TOP50折り返しとなる第3戦檜原湖が閉幕した。結果は13位。予選を4位で通過した第2戦北浦戦同様、今回も予選を4位で通過し、優勝にあと一歩で手が届く所まで来ながらの最終日大失速となってしまった。


トーナメントは結果が全て。言い訳無用、問答無用。良くも悪くも全て自分に返ってくるのは覚悟の上。
ただ、応援してくれる人たちの期待にこたえられない事が一番堪える。


今季の試合は練習時から体調、メンタル共にここ数年では明らかに安定した良い状況で望めているにもかかわらず、最終日決勝で全てを台無しにしてしまう、悔やんでも悔やみきれない結果に悩まされている。昨年、5戦中4戦全て優勝を含む7位以内と言うハイスコアを出す事が出来た自信からか、今季はそれ以上、すなわちTOP50チャンピオン奪還を狙おうとするがあまりの意気込みが完全に空回りしているのだろうか。
いずれにせよ、応援してくれるファンの皆さんに期待させるだけ期待させておきながら、毎度ガッカリさせる結末になり、情けない気持ちに今も苛まれている。


初日はこの2本のキッカーに救われた。
しかし、この2本は本来、最終日に温存する予定だったスポットから
セクアン2.5ネコリグでやむを得ず抜いた2本だった・・・。


さて、今回の檜原湖戦に関しては既に東レインターナショナルのWEB「今週のイマカツhttp://www.torayfishing.net/」に詳細を公開しているので割愛するが、今回の練習を通じ自分が巻きモノの更なる極みに踏み込んだ手応えを得たルアーとは、実はスピナーベイトだった。それもまたもやジンクス「スーパーブレード(以下SB)」特有の個性を利用した自分的に極めて新鮮なメソッドだった。とにかくスーパーブレードの威力は昨年、北浦水系戦で2日連続トップウエイト&大会ヘビエストウエイトを記録し準優勝を手にした時も感じたが、このスピナーベイトには明らかにTOP50でも勝ち抜ける特別な力があると感じていた。


今回の檜原湖の練習では簡単な改造を施したジンクススーパーブレードの威力が際立っていた。
バックアップの限界は3キロだったが、メインパターンなら連日4キロ前後を出せる自信があった。
使い所がまさに裏技だった。


JINX SBは悪く言えば従来品に比べ巻き感が軽く「ノー感じ」な「浮き上がり難い」スピナーベイトである。だがそこが他にはない最強のキモだと言う事に気が付けば、スコーンジグやシャッドテール、そして流行のシンキングスイッシャー、I字系プラグ以上に、極めて応用範囲、適応範囲の広い「ナチュラル」ながら「酷使」できる武器である事に気が付く。そう、スピナーベイトには誰もが解る他のルアーには到底及びもつかない絶対的有利な機能がある。それこそがモグチャの千鳥と対極を成す、もう一つの類稀なる能力なのだ。JINX SBは解る人には解る、別名「スラッシュベイト」とも言えるスピナーベイトとは少し異質な何かを持っている気がする。


スーパーブレード、このブレードの真の価値が理解されるのはもっと先の話かもしれない。
ただ、今年、アメリカでも極薄ブレードは密かな流行になっている。


しかし、結局、このジンクスSBのパターンは試合当日に完全なまでに崩壊する。今回に限っては天候の変化や水位の変化、ましてプレッシャーや自分のメンタル的変化はほとんど影響がないと言っていい条件だった。目に見える変化がほぼない状態でバスが狙っていたレンジから忽然と消えたのだ。

その理由は今となっても定かではない。ただ、今回の試合は岸際であれ沖あれ、水深で言う所のシャロー勝負だと確信していた選手のほとんどが初日から全滅すると言う事態になった。私を含め、少なくとも青木、馬淵、阿部、福島、加藤さん…歴戦のシャローのツワモノが口を揃えて一夜にしてバスがシャローから忽然と消え、その理由が解らないと口にしていた。そしてそれを深追いした選手程、致命的ダメージを受ける事になった。


今試合、万全の長期練習の末、シャロー勝負に絶対的な自信を持って臨んだシャローのスペシャリスト阿部進吾。
しかし結果は彼にとって致命的ダメージとなるものだった。トーナメントは非情だ・・・。


私自身、結果的に初日の10時過ぎから決勝のために温存していたバックアップのディープパターンを早々と叩き切る結果なろうとは夢にも考えていなかった。予選こそトップと数百グラム差の僅差で4位通過したものの、3日目の決勝に残せたスポットはなど一つもあろうはずがなかった。既に全弾撃ちつくし、主砲を失しない決勝に向かう気持ちはもはや運頼みでしかなかった。
スモールマウスが一夜にしてシャローから忽然と消えた理由、その仮説は今週末発売のルアーニュースに書いているので、いずれここで紹介したい。


試合前日、予選ではスピニングロッドは持つ事がないかもしれないとすら言っていた。
しかし、決勝に備えたバックアップを初日から擦り切れるまで使い切る展開になってしまった・・・。


ともあれ、この試合の結果、年間総合成績は23位から13位までランクアップした。地味すぎる結果だが、昨年3戦終了時の14位を僅かに上回っている。トップとの差は46ポイント。こちらも昨年の55ポイント差に比べればまだマシだ。
今年は「タイトル獲得」を至上命題としている以上、残る旧吉野川戦、そして霞北浦水系戦での2連勝、もしくはそれに匹敵する結果が絶対条件となる。救いは第2戦、第3戦とも、決して手も足も出なかったわけではなく、2戦とも決勝まで優勝争いが出来ている事だ。追い込まれてからが自分の身上、自分の底力を信じ、奇跡信じて残り2戦、全身全霊を賭けて挑む覚悟だ。


救いはこの2戦、予選を優勝に十分絡むスコアでクリアしている事。
残る2戦、この轍は2度と踏まない。心はまだ折れていない。

 

 

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