S字形イマカツ的考察の巻
ただいま旭川ダムに滞在中です。 実況報告をしたいのですが、電波状況が非常に悪く、送信不能です。 本日から外来生物法が施行されましたが、バス釣り自体は問題なくできますので、皆さん、どんどん釣りにでかけましょう! 04年下半期からこの春にかけての大ブームルアーといえば間違いなくS字形(以後SGK)だろう。ジョインテッドクローを元祖としてわずか半年の間に市場には驚くほど多種多様なSGKプラグが雨後の竹の子のように現れてきた。 このS字アクションそのものに関しては以前、バスワールドで紹介した「サルモスライダー」に衝撃を受けて以来、この タイプへら鮒の様な形状にこだわって開発に一時躍起になっていたのだが、この動きをミノー型しかもジョイントで更に強烈な動きに昇華したジョインテッドクローの存在を知ったときには、私もフージーも「こりゃ完全にやられました・・・いきなり終点来ましたわ」って感じでそれ以降開発は断念してしまったいきさつがある。
日の目を見ることはなくなった。 それから2年、いまやS字形は完全に一ジャンルとして確立された感がある。いまもS字に関しては違った角度では開発は続けており、その支流として生まれてきたのがジャバロンでもあるのだ。 さて今回はもう出尽くした感があるS字形に関して私個人的考察である。本人的希望とすればこれだけのポテンシャルをもったルアーだけに、何とかトーナメントレベルでこの手のプラグを生かしたいという気持ちがあり、大概無理やり試合でも使ってきた。しかし今のところ結果は出せていないので、偉そうなことはいえないが、結局、使い込むにつれて一軍ボックスに残ったのはやっぱりジョインテッドクロー、エスドライブ、サイレントキラー改に落ち着いた。 この3つは形状や大きさはさほど大差はないが、それぞれ違った個性を持っている。
右左のS字幅が最大級で、ジャークの左右への動きが極めて規則正しく、ロールはほとんどといっていいほどしない。 まさに水中のザラスプークって感じ。開発者的視点から見れば、エスドライブのデカい顎フィンは非常によく考えられている。一見、ロール殺しの直進安定性を保つキールのように見えるが、実はあのフィンの厚みと正面のから見た縦方向の角度とカーブのほうがマニア的には唸ってしまうキモ。何でかは菊さんに聞いてちょうだい。これがエスドライブの最大の特徴だ。
封印が有るのに解けない場合も結構ある。そしてやっぱりそれは存在した。詳しくは後述。 3つ目の「サイレントキラーリップレス」はネットでの会員販売しかしていないため、3つの中では最入手困難品。しかし、こいつは全てのSGKのなかでも全てが最大級。S字横幅、引き応え感、ダート、サイズ、重量どれをとっても猛烈な迫力があって、コントロール性も素晴らしくいい。
私もフージーもメインは白系を使って、巨大ストラクチャー際(橋げた)で、見えるか見えないかぎりぎりの水深でのスロートウィッチが一番効果的だった。この場合、水中で意図したとおり、ストラクチャー間近で移動を極力抑えた左右へのコントロール性の高い大きなダートの動きがキモに思えた。ここでひねりが入ると極めて狙った動きが出しにくく、コントロール性も悪くなり、糸絡みが連発するのだ。 しかし、先日、奥村君と話した折、この安定感とコントロール性のよさを褒めていると意外な答えが返ってきた。実は奥村君からは非売品のサイレントキラー、「背負いフックバージョン」も貰っていたのだが、背中にフックの重さがあるこいつはかなりのジャジャ馬で、ロールやひねりも大きく意思どおりになかなか動いてくれない。左右方向だけではなく3次元に立体的に動く、ジョインテッドクローに近いタイプだ。とにかく上手く動かせたときはハッとするほど飛びぬけて素晴らしく、リップのないSGKの最大最強の弱点であるボトムノック、カバーコンタクト時のフックスタックもほとんどしない。
「でもね、今江さん・・・湖北での本当のシークレットはこの予測できない動きなんですよ・・・とくに55cm以上になると・・・ちょっと難しいですけど・・・」 そしてこの後、話しちゃダメって言うサイレントキラーのチューン法を教えてくれた。これはオフレコです。この時、やはりジョインテッドクローの動きが頭をよぎった。そういえば何かでジョインテッドクローは「この動きが一番テストでよかったから」と書いてあったような気が・・・。う〜ん、まだまだ私はSGKの初心者部門に入るようだ。 いずれにせよ、ルアーの動きって言うのは人間から見た場合と、バスから見た場合と何がバスに訴えかけるのかはまだまだ謎だ。時と場合とタイミング、そして最大のポイントは扱う人間の釣りの力量にフィットしているかいないかも大きなポイントになる。 本当に凄いルアーっていうのは万人が等しく釣れるルアーもあるが、その大外(おおそと)に存在するシークレットルアー、ルアーを使いこなせる技量が伴って初めて誰にも真似できないほど突出した結果を出せるルアーってのがある。 ルアーメーカーとすればアホほど高い金型代や生産コストを考えると、万人受けするルアーのほうが生産効率はいいに決まっている。F-1マシンを売っても運転できる人なんてほとんどいないしね。 今回私が既にほぼ完成している「カレカ」の正式発注を迷っているのも実はこの辺がある。 「これ本当に使いこなせる人、何人いるんだろう?」と考えたとき、工場の人たちの顔がよぎる。本物のリッピングの使い手なんて、私の周りにも数人もいない。私にしてもアマゾンで現地の達人と一緒に一週間、ぶっ続けでそれしかやらない状態で初めてリッピングの何たるかが見えてきた。たぶん今やワゴン寸前のサルモスライダーもこの手の仲間だ。これを初めにポーランドから輸入した人は凄い見識力と勇気があったと思う。
潜在能力を発見することに喜びを感じることが出来れば、まだまだプラグはどんどん進化するだろう。楽しみな時代に なったのは確かだ。 最後に、私がやってる簡単なサイレントキラー(小バージョン)SGKチューンを奥村君の許可を得て紹介しておこう。 かなり簡単でイケてます。ただしこれは今江流で、失敗しても責任は取れませんのであしからず。これを参考にして自分独自のシークレットチューンに挑んでください。破壊を恐れては前進はありません。(でもサイレントキラーぶっ壊すのは勇気いりますね・・・) 1.まずリップをデカイペンチでこじって抜きます。 歯医者さん感覚で。やたら接着が硬いものも有るので、その場合はカットしてやすりで処理します。この際、 リップの根元に接着剤が付いているので、あらかじめ根元の部分にカッターで切り目を入れときましょう。
かなりヒワイな感じでくるくる剥いていきます。フックアイにひっかからないよう注意。結構丈夫なので簡単。
前のウエイトホールの錫をラジペンではずして、そこにタングステン粘土おもりを埋め込みます。 そんでもって、風呂場に行ってフックと皮を適当にセットして超スローシンキングに調整する。
余り前傾姿勢になるとNG、水平気味がベスト。ボディーは柔らかいので、ドリルで開けてネイルを刺すことも可能。
この際、石鹸でぬるぬるにしてやるとスッポリしっとり簡単装着!間違ってもオイルは塗らないように。
手ごわい。ルーターがあれば削り取れば簡単。ボディーの某部分に入れることによって、思いがけない進化版も出来る。それは独自で探してちょうだい。 ということでまだまだ私もSGK初心者。まだ開発されてから歴史の浅いジャンルだけに、もっと勉強していきたいと思っている楽しみなジャンルの一つである。 |
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