イマカッチャンネルセミナー東レ編「ルナーテーブル概論」オンエアの巻
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ラリーニクソンに直接教えてもらった名言集に「満月の翌朝(午前中)は喰わない」と言う格言?があるが、これは確かに本当だと思う。その理由は満月の夜はバスがベイトを見上げると、月明かりのシルエットで丁度いい感じでターゲッティングできるのか、夜にフィーディングを行う事が多くなるそうだ。で、翌朝は満腹、喰い始めるのは大概、午後からと言っていた。アメリカでは満月のナイターは常識だそうで、確かにバカラックでも満月の夜、アメリカ人はほとんど18時から深夜の夜釣りが主流だった。
巷では春は大潮と相場が決まってそうだが、私個人的には「大潮はサイト以外、最高に厳しい。」と言う見解。スポーンが絡む大潮になってしまうと、バスは食欲より圧倒的に性欲過剰状態?になる。こうなるとハタキ状態の鯉やヘラの目の前に、パンやグルテンを投げても激無視するのと同じで、頭の中はHな事で一杯、餌なんか食ってる場合じゃないって感じになる。バスはいっぱい見えるが、全く喰う気なし。ネスト絡みで怒らすか、ネストに絡まない場合はサイトで一瞬のリアクションで喰わせるしかなく、一つ間違うと1日翻弄される。特にメスは普通ではなかなか釣れなくなる。今回の東レセミナーの内容は、「月齢潮汐に関するバスの行動について私の経験的な見解」、興味があれば こちら から。
今江克隆セミナー「ルナーテーブル概論」 さて、最近これまた巷で噂のフルーガー。いよいよベイトが発売されるようだが、予想以上の人気にちょっと嬉しい気持ち。と言うのも、このフルーガー、本来は昨年私がスウェーデンABU本社に行くまで、日本での販売予定はなかったのだ。実は当時、フルーガーを傘下に収めたピュアは、このパトリアークを日本の大手ショップに販売営業の打診をしている。しかし、リール王国とも言える日本での反応は、ほぼ100%の回答が「まず売れません」だった。その理由はアメリカ製のフルーガー自体を知っている人がほとんどいなかったという事実なのだ。実際、TOP50プロですらフルーガーを知っていたのは40代のプロ位だった。沢村さんをして「フルーガーって何よ??」が最初一言だった。
北欧のアンバサダーとアメリカのフルーガー。この2つは私にとって少年時代、ショーウィンドウ越しに憧れ続けた青春の想い出そのものだ。格式と伝統、高嶺の華だったアブ、アメ車の様に武骨だがバスフィッシングの匂いがプンプンとしてきたフルーガー。時代の流れとともにフルーガーは忘れ去られ、アブも国産機種に性能面で遠く及ばなくなった。リールに関してはアブを使い続ける以上、もはや高くは望めないと思っていたのも事実だった。しかしそれが2008年レボエリの登場と、スウェーデンでの思いがけない再会と共に一変する。
そこには30年ぶりの再会となる懐かしのPFLUEGERが、ABUと一緒に並んでいた。私が日本でのフルーガー販売再開を、ピュアに強引ともいえるほど推薦した事は言うまでもない。この再会がなければ、フルーガーが日本で販売される事はなかっただろう。ABUとフルーガー、確かに私はピュアサポート契約選手ではあるが、この2つのリールに関しては未だに個人の趣味の域を出ていない。個人的に昔からずっと好きだから使っている、それを偶然ピュアが扱っていたに過ぎない。エビス、マミヤOP、そしてピュア、販売会社は変われど、使ってきたリールは今も変わらない。
私がABUとフルーガーが大好きな理由、それは隙のない完璧なデジタル機器ではなく、行きすぎていない性能、人間のアナログ的な感性が入りこめる遊び心を残した「道具」、そんな雰囲気が自分の「バス釣りの原点」を忘れさせないからかもしれない。それとちょっぴり日本人的な判官贔屓、「負けるなアナログ魂!」みたいなところも確かに、ある。完璧なリール、凄いリールが身近に存在する中で、敢えて多数意見に逆らってでも「俺は一生、ABU」って言える所に変な自己満足があったりする。 それはトーナメントプロとして無駄を極限まで排し、効率・釣果第一主義にどっぷりと漬かってきた私の、それでも決して捨てたくはない、「遊び」として残されたバス釣りの原点でもあるのだ。
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