K.imae Today's Tips 1510『グラコブRS&スタリオンRS』

プロフェッショナルアングラーと一般の陸っぱりアングラーとの最大の相違、
それは釣行1回ごとのキャスト数に大きな違いがある。
陸っぱりアングラーは釣行回数こそ多いが、朝や夕方だけなど短時間、単日釣行が圧倒的。
それゆえにロッドには、短時間釣行を長年支えられる経年劣化の少ない物理的耐久性を求める傾向が強い。
プロアングラーはまったく違う視点でタックルを見る。
たとえば雑誌取材。丸2日間、早朝から日没まで12時間近く、休みなくロッドを振り続けることはあたりまえ。
トップトーナメンターになるとトーナメント本番では公式プラクティス2日間+本戦3日間、
合計5日間もの間、1日8時間以上連続でロッドを振り続けるのは日常の光景である。
プリプラクティスにおいては10日間も毎日早朝から夕暮れまで12時間近くキャストを続けることもある。
それがトップトーナメンターの世界なのである。

ゆえにプロアングラーがロッドに求める性能、それは長時間の反復運動による筋肉疲労、
集中力の低下を最小限に抑えるため、圧倒的に「軽さ」が優先される。
最新鋭カーボンシート「トレカT1100G」を100%使用し「大地のコブラ」としてデビューした「グランドコブラ」は、
3オンスクラスビッグベイトからスイムベイト、スピナーベイト、テキサスリグ、ラバージグまで自在に使え、
同時にローテーパーならではのミドル級方向への汎用性をも活かした
ヘビー級バーサタイルの理想を具現化したロッド。
高弾性の張りと中弾性の筋肉質な粘りを活かすため、
あえてシートを肉厚に巻きローテーパーなレギュラーアクションに仕立て、
全身をムチのようにしならせ加重ウェイトを全身で受けるブランクスデザインを採用している。
陸っぱりでのハードユースを想定したオールダブルフットガイド仕様のため、
長時間連続使用が条件のトーナメントロッドとして考えれば、若干トップヘビー感を感じるかもしれない。
今江はトーナメントユースに専用化したグランドコブラRSを求め、
グランドコブラをベースに徹底的な軽量化対策を施した。
















ブランクスはグランドコブラ・リミテッドと完全同一なトレカT1100G 33tを100%使用。
ガイドはオールダブルフットのリミテッドに対し、RSには1~5番を超軽量なトルザイトリングチタンフレームの
強化シングルフットタイプに変更
することで、大幅な軽量化だけでなくトップヘビー感を削除した。
丸1日グランドコブラRSを振り続けても、肘や肩に与える負担をかなり少なくしている。 
また、強化シングルフットガイドの採用はアングラーのフィジカル負担軽減だけでなく、
ロッドの印象自体も大きく変えている。
超軽量ガイドの採用でトップヘビー感が消えると、ブランクスが本来持っているポテンシャル(キレ)が覚醒し、
ブランクスのシャープさ、切れ味がさらに研ぎ澄まされている。
もともとグランドコブラはコブラ一族らしくムチッとしたローテーパー感が特徴だったが、
超軽量シングルフットガイドの特性によって隠れていたシャープさが浮き立ち、まるでジグ・テキサスロッドの
名竿「インスピラーレ・ガンスリンジャー」に近い斬れたフィーリングを持つようになった。
ガンスリンジャーの斬れ味を持ちながら、グランドコブラ独特の「曲がる粘り」も同在する特殊フィーリング。
「硬いのに柔らかい」。「曲がるのに止まる」。
100%ピュアT1100Gカーボンブランクス独特の矛盾的世界観の融合がグランドコブラRSである。

純競技用ハイスペックレーシングスペシャルとして開発されたグランドコブラRSは、
メインのスイムベイティングのほかテキサスリグ、ラバージグなど機械的連続性や
シェイキングモーションが要求される釣りも肘や肩に大きな負担を掛けることなくカバーする。
ガンスリンジャーにスイムベイティング能力も付与されたシャープさと粘りが
同居するロッド、と考えるとわかりやすいかもしれない。
グランドコブラ本来の高弾性の張りと中弾性の粘りを維持しながらも、
軽量性を突き詰めることで手にした研ぎ澄まされたシャープネス。
グランドコブラリミテッドの卓越したトルク感と、ガンスリンジャーの斬れ味を同時に
持ち合わせる超攻撃的ヘビー級バーサタイル、それが”グランドコブラRS”と言えるだろう。















そして、同時にリリース予定のスタリオンRSについて捕捉しておこう。

スタリオンRSは、自分にとってスタリオンGTと同じブランクスながら、全く違う性格を持つロッド。

それほどスタリオンのブランクスは、シリーズでもずば抜けて幅広い特性を持ち合わせている。
ある意味、T1100G独特の性格を一番、感じられるブランクスかもしれない。
昨年の真冬、スタリオンRSのプロトを使用していた折、もっともその効果を実感できたのが
幾度もロケでメタルクロー13gやマッハソニック14gを使っていた時だった。
毎回、真冬は厳しいロケで、メタルクローをロッドで9時から12時の位置に細かくショートホップさせ、
その最後の12時過ぎのホップ終わりの瞬間にバイトが出た。

いわゆるロッドで後方へのアワセシロがほとんど取れない「万歳アワセ」状態。

この状態で無理矢理、何とかあわせると、一瞬、バスの重量は乗るのだが、
リールを巻くためにロッドを前に倒す瞬簡にラインが緩み、ポロッと外れてしまうのことが非常に多い。
ソリッドティップでは瞬時のフッキング力がロスし、硬い高弾性竿だとロッドを戻した瞬時に
ティップが棒になりラインが緩みバレる。もちろん、リアクションで反射的
にバイトしている訳で、竿を倒して送る余裕など一瞬もない。
ここは長年の電撃系アワセの悩みどころだった。

しかし、スタリオンRSのセッティングを確信したのがこの時だった。












T1100Gは33トンの高弾性ながら、従来の高弾性カーボンとは比較にならないほど、
曲がってから戻りを堪えて追従する能力が遥かに高い。反発のキレは30トン以上に高いはずなのに、
曲がってしなやかに追従するムッチリ感がある稀有なカーボン素材である。
この特性が掛けるときは斬れを発揮し、掛けてからは追従してラインの緩みを最小限に留めてくれる。

GTセッティングでは追従しすぎた感があったスタリオンだったが、RS仕様のガイドセッティングに変えたことで、
斬れと追従がこの手のホップ系「縦捌き」釣りに最高のモノになった。
これはフットボールジグにも最適な特性である。その特性が余りにも素晴らしかったがため、
スタリオンに関してはGTとRSどちらも甲乙付けがたく、
同じブランクスで全くベツモノに近い2本のスタリオンが誕生することになった。















グリップも巻き物、乗せ物重視のGTには剛性感重視のストレートダブル、撃ち物、操作系重視の
RSには片手での丁寧な操作感を重視し最終的にコルクセパレートを選択した。

スタリオンGTの活躍の陰に隠れてJimmyなスタリオンRSだが、この2本は表裏一体、
自分にとって絶対に試合でもロケでも外せない主戦力中の主戦力である。

スタリオンRSの詳細な特性とスペックはEG・WEBページを参考にしてください。


http://www.evergreen-fishing.com/goods_list/TheStallionRs_0108J090_1.html

 

 

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