こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
今回は、イマカツのクランクベイトやミノーに採用されているワインドリップの効果についてです。
ワインドリップとは、ルアーボディに取り付けられているリップを意図的に屈曲させたデザインからなる総称のことです。
| IK-180のワインドリップ |
通常リップは、ルアーボディ先端、叉は先端より数ミリから~数センチ後方下部より直線的に伸びた物で、ボディと同等の素材や金属、基盤素材などからできています。
| いろいろな形のリップ |
市場に出回っているプラグの9割以上を直線的なリップが占めており、ワインドリップを採用したルアーは少数です。
単に、リップの形状が格好良くなるからとデザイン重視で湾曲させているのではなく、ワインドリップを採用した理由が3つあるのです。
| IK-100(左)とIK-300W(右) |
1 潜行深度が浅くなる
通常のストレートリップと比べワインドリップは、リップ全体が湾曲しているため、リップの上面に受けた水圧がリップ先端湾曲の下方向に逃してしまうため、必然的に潜行深度が浅くなる。
2 ウォブリングアクションが大きくなる
ラインアイとリップと重りとの位置関係にもよりますが、通常ラインアイとリップの高低差(距離)が大きい程ウォブリングアクションの振り幅が増大する。
上記の特性に当てはめると、リップを湾曲する事によりラインアイとリップの高低差(距離)が大きくなる。よってウォブリングアクションが大きくなる。
3 スナッグレス(根掛かりしにくい)性能が向上する
2のウォブリングアクションが大きくなるに関係があるのですが、ラインアイとリップの高低差(距離)があることにより、リップ先端に障害物が軽く当たっただけで、ラインアイを支点にルアーボディが前方や左右に倒れてかわす為に障害物回避性能が高くなる。
テコの原理に当てはめると、力点がリップ先端部、支点がラインアイ、作用点がルアーボディとなります。
| テコの原理(力は支点からの距離に反比例する) |
支点(ラインアイ)から、力点(リップ先端部)の距離(高低差)が長い(大きい)と軽い力で作用点(ルアーボディ)が動かせる。という訳です。
イマカツではこの原理を生かし、性能を発揮するタイプのみ各種ルアーに採用しています。
ワインドリップを採用される場合に多いのが、同じボディサイズで潜行深度を浅くしたいけれど、単にリップを小さくしただけでは潜行深度が浅くなるが引き感は悪くなり、リップを小さくした為にリップが針をカバーしきれず、障害物に針が引っかかるリスクが上がる。
そんな場合にワインドリップに形状変更すれば潜行深度は浅くなり、ウォブリングアクションの増大により引き感は増し、リップは必要以上に小さくする必要が無い為にスナッグレス効果は維持できると言うわけです。
叉、ワインドリップにしたものは泳ぎに特徴があり、視覚的に非常に柔らかいヌメヌメとした生物的なアクションをします。
このワインドリップですが、メリットばかりでなくデメリットもあり、リップの湾曲を強くし過ぎると空気抵抗が増え、キャスト時に失速する場合があります。
イマカツルアーに採用しているワインドリップ付きルアーは、空気抵抗を出来るだけ抑え、数々のテストをクリアーした物だけが製品化されていますので、キャストにストレスなく使うことが出来ます。
ワインドリップ採用ルアー
| IS-100(上)ワインドキラービル(下) |
| IK-100(上)IK-180(下) |
| IK-380BWK(上)IK-300W(中)IK-200W(下) |
是非一度体験してみてはいかがでしょうか
では皆さん良い釣りを
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