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ワドルブレードシステム誕生
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
今回はワドルブレードシステムについてです。




ワドルブレードシステムの詳細は、イマカツホームページ内に掲載されていますので、ここではワドルブレードの誕生話をします。

皆さんは、もうご存知だと思いますが、ワドルブレードシステムは意図的に千鳥アクションを発生させて、魚に捕食のキッカケを促すという、他に類を見ない完全自動千鳥発生装置のことです。

現在、ワドルブレードを装着したアイテムは、トップウォーターのワドルバギーワドルバギーウェブフットの2機種、クランクベイトのリトルバッツワドルバッツワドルバッツダイブに、ビッグバッツ、そしてバトルバッツの5機種、計7機種に採用されています。

それぞれ、千鳥の性質は異なりますが、確実に魚を魅了する何かが備わっていると思います。


左下から
リトルバッツ、ワドルバッツ、ワドルバッツダイブ、ビッグバッツ
バトルバッツ、ワドルバギー、ワドルバギーウェブフット
            

開発がスタートしたのは、今から5年前の暑さの残る秋、ちょうど今ぐらいの時期だったと記憶しています。
イマカツ会議室でのミーティング中に、今江さんのちょっとした一言から開発はスタートしました。

「千鳥プラグができないか」と

当時、千鳥アクションのプラグは存在したが、千鳥の仕方が蛇行するタイプのプラグしか存在していなかった。

その後、今江さんは「蛇行系ではなく、モグラチャターのようにクイックに横飛びするものが出来ないか」と付言した。

「エーーーッモグラチャターのように!? 難しいこと言うな~今江さ~ん」と私は心の中で呟いた。

ただ、その時点で、微かなイメージが朧気ながらも私の頭の中に出現していた。

私は「早速取り掛かりましょう」と言葉を発した。

ちょうどその頃、モグラチャターが全国で記録的な釣果を叩き出していた頃で、バスに対して千鳥アクションの有効性は立証されていた。

ルアーが障害物に接触せずに、アクションの変化を自発的に起こせたら、これがプラグで実現出来ればもっとバスは釣れるだろうと、イメージは膨らむばかり。

私の場合、頭の中でイメージが具体化された物は、早い段階で形にする事が出来ますが、其処までにたどり着くには少々時間が掛かります。

恐らく、頭の中に湧いた個別のイメージが衝突し合って、ゴールが不可視になるからだと思います。

イメージが固まるには数日を要する、時には数ヶ月~数年に及ぶ場合も。

ワドルブレードシステムは、イメージが形になるまでに早い方であり1週間程だったと思う、イメージが固まった物が最終の形状と一致していた為、 結果的に プロトタイプの数は少なく済むことができた。

「泳いでいるルアーの軌道に変化を与えるには、重心を一時的に不安定な位置に配置する必要がある、それでルアーのバランスは崩れ、今まで泳いでいた軌道からルアーは反れる、でも元の位置に重心を戻さないとルアーのアクションは破綻する」こんなやり取りでイメージを膨らませながら、自問自答していたのです。


IK-50にワドルシステムを装着したプロトタイプ第1号


早速、ワドルブレードシステムの叩き台を、IK-50のボディに取り付けてみたのですが、これが中々良い感じに、ただし横跳びするようなクイックさは出ず。

ブレードの厚みを変え、長さを変え、そしてヒートンの位置を変え、それでも理想とするアクションには程遠いものであった。

最終的に、ボディ形状に秘密があると、気付くのにそんなに時間は掛かりませんでした。


アクションにOKの出たワドルバッツ、ビッグバッツのワンオフモデル


ここからが少し長い道のりでした。

早速ボディのワンオフモデルを作成し、ワドルブレードを装着したものをスイムテストしたところ、求めていた動きが出たのです。

実は、この動きを忠実に再現するのが、意外にも時間の掛かる作業だったのです。

このワンオフモデルは完全ハンドメイドによるもので、ワンオフモデルを金型に起して再現したタイプはワンオフモデルを越えることが出来ず、トライ&エラーの日々でした。

もう一度、パーツ等を一から見直し、ようやくワンオフモデルのアクションを超越して、2010年7月に完成することが出来たのです。


こんなプロトまでありました。
チャターとクランクベイトのハイブリッド!?


では皆さん良い釣りを

 

 

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