2012横浜国際フィッシングショー総見の巻
ベイトフィネスの極意は「何も無理してない事」。
自分のLTXは、例えるなら初心者でも直ぐ運転できるスーパーオートマ車。それを実演で伝えたかった。



震災中止により2年ぶりとなった横浜国際フィッシングショー。例年2月頭に2週連続大阪・横浜で開催される事が慣例化していたFショーだったが、今回は初めて大阪ショーから約一カ月半のインターバルを挟んでの独立開催となった。


横浜会場みなとみらいの夜景。野郎だけで来る所じゃないですな…。


この分離によって、メーカーのショーへの力の入れ方にも変化が見られ、大阪に力を入れるメーカーと、大阪を控え横浜に全力投球するメーカーと、力点の置き方にハッキリとした傾向がみられた。大手総合メーカー中心の横浜ショーと、専門系メーカー、インディーズ系が主力の大阪ショー、季節的にも暖かく釣り行くのに適した季節での開催が釣り人の心理にどう影響するのか、業界的には注目の3末開催となった。


今回のサプライズセミナーはDUEL。一番、入いりが厳しいと感じた土曜午前中にもかかわらず、大盛況に。


結果的に大阪は前年対比約1割増と大盛況となったが、横浜の公式発表は前年対比15%減と数字的には極めて厳しい結果となった。この結果に対しては、やはり3月末の大潮と日程が重なった事や、前週に開催された名古屋バスフェスティバルの影響も大きかったように思う。正直な所、今回の横浜で大阪以上の目新しい発表はほとんどなく、ショー本来の新製品展示会という意味合いは薄く、何処となくイベント興業的要素の方が色濃く出ていたように思う。「釣り」はやはり屋外の趣味。華やかなオートショーの様なイベント性で集客を目指したとすれば、そのパンチ不足は否めなかったように思う。


昔一緒に取材に行った事のあるセンドウ兄弟とトークショー。スポンサー枠を超えての話は楽しいですね。


ただ、全体的な評価としては大成功とは言い難かったものの、偏りはあるものの決して大阪と引けをとらない、むしろそれ以上の盛り上がりを見せていた場面も多々あった事は確かである。


激レアコラボに、あれよあれよという間に黒山の人だかり。
物凄い熱気になってましたが、マナーが良い事に感心しました。


個人的見解として感じた事は、年々、アングラーの本物志向、すなわち「斬新で、かつ本当に釣れる釣り方」と言う本質的な部分への興味が深く、情報を提供する側もより実戦的、より斬新で独創的な情報で対応しなければならない時代になったように感じる。これはある意味、並みの情報にはスレた玄人が増え、無垢な初心者が減っていると言う、業界にとっては厳しい状況であることには間違いない。


ガラの悪い3人組に釣りガールならぬエロガール?・・・。
今回のショーは大阪、横浜共に釣りガール路線転じて、エロガール路線に方針転換か!?


それだけにうわべだけの華やかさや、実績に裏付けられない知識では今の釣り人を継続的に振り返らせる事は難しい時代になった事を痛感した。恐らく、業界もその事を見こして、「初心者を増やす事」に主眼を置いた展開が今回の横浜ショーのスタイルだったように思う。ライトリグでしか釣れないスレた魚を追いかけるより、何にでも果敢に反応する活性の高いウブな魚を釣りたい気持ちはここでも同じなのだろう。


ここ数年のショーでは中高生や子供たちの来場数が激減している気がする。高齢化が進む業界に未来はない。


確かに今回の横浜ショーでは、玄人向けのトークショー、それも関東の釣り場即応型、実績に裏付けられた情報の提供には大阪以上に極めて反応が高く、強い手応えを感じた。
これも裏返せば、それだけ関東のアングラーのおかれた釣り場環境が厳しい事の表れかもしれないが、その厳しさ故に本物志向が極めて高い事の表れとなっているのだろう。
今回は関東での田辺さんや村田さんの人気の高さを再認識する場面も多く、逆に大阪ショーでは人気だったプロアングラー達が、セミナーで苦戦している風景が良く見受けられた。


関東でもエバーグリーンの人気は高い。
霞水系の読み説き方は今回とても好評だったように思えた。今の霞水系は自分にとって一番楽しい水系だ。


結局、レベルの高い本物志向の釣り人を相手にするのはそれ以上の圧倒的知識と技術開発力が必要なだけに、初心者の減少は将来の業界にとって死活問題に繋がる。しかし、初心者を増やす方法を安易に釣りガールや、室内イベントに求めるにはもはや限界はとっくに来ている気がする。なぜなら初心者が減った根本的問題は間違いなく釣り場が減った事に起因している事が間違いないからだ。関西の釣り場でさえ、初心者にバス釣りの楽しさ簡単に教えられる釣り場はほとんどない。釣り業界、特にバス業界はイベントの華やかさ派手さで初心者を釣る以前に、1つでも多くの釣り場を解放するために地域社会、住民とのコミュニケーションを深める地道な組織活動にもっと力を入れるべきなのだ。まあ、この辺のまとまりのなさが、釣り人気質の「釣り人」達だけで形成された「釣り業界」の難しい所なのだろう…。


土曜終了後、EGブースでのオフショット。名古屋のシャチホコ男、サトシンに霞のサル番長、関和。
バスフィッシングの明るい未来は彼らの双肩にかかっている???。


ただ、今回の横浜ショー、個人的にはトークショーを通じ、自分が目指す釣りの方向性が間違っていない事に十分な手応えを得られた価値あるショーだったと思う。2012年開幕戦を目前に控え、多くのファンに背中を押してもらえた気持がした。


メイホウ・VERSUSブースでの4時間連続ミニセミナーも予想以上の大盛況。
4時間ずっといてくれた方もいたそうです。ありがとうございました!


総見的には決して楽観できない厳しい現実は変わらない。しかし、自分が目指すバスフィッシングの方向性をファンに問うと言う意味においては、この横浜ショーは自分にとって開幕戦へのスターティング・グリッド、そしてそのポールポジションに立たせてもらえた最高のショーだったかもしれない。

ショーが終わり、いよいよ2012年本格シーズンが始まる。
果たして今年はどんなドラマが待っているのだろうか。

 

 

TOP OF THIS PAGE