波乱必至、最終戦プリプラ終了の巻

関西圏最大のリザーバーサメウラ湖。
バスボートで走って日本一気持ちよく美しい湖でもある。

旧吉野川戦終了ほぼ同時に始動した最終戦サメウラ湖のプリプラクティスから一時帰阪した。この灼熱の2カ月間、まさにバス釣り三昧?の毎日が続いた。バス釣り三昧と聞くと、さぞかし羨ましい響きがあるように思うかもしれないが、現実には試合を含め毎朝4時前には起床し、夕暮れまで猛暑の中、昼食もとらず立ちっぱなし、釣りっぱなしが最低でも5日間は連続するまさしく肉体労働である。さすがに今はその疲れがどっと出た感は否めないが、この2年、低下していた練習量とその質が戻ってきた事に充実感を感じている。

思わず散歩してしまった美しいサメウラの朝。
まるでスウェーデンの朝にそっくり。疲れも癒されます。

競技者である限り、地道な練習と努力なくして進歩は望めない。ただそれは自分にとって辛いものではなく、今もそれが出来る事、出来る環境を作れた事が最高に幸せであり楽しい時間でもある。強い目的意識を持って、その目的達成の瞬間を夢見ながら真剣にバスと向き合えるプラクティスは、ひょっとしたら私にとって一番楽しい時間なのかもしれない。

これほど本気で釣りをする機会はない。
目標があるからこそ、必死に何かを掴もうとする。
私にとってこの時間はとても大切だ。

さて、今回のサメウラ湖の練習結果は旧吉野川の練習を上回る程、明確にパターンが見え過ぎ、連日4キロ中盤~5キロ中盤をマークできる程安定したものだった。練習開始初日すぐにテストのつもりで投げたビッグバッツにいきなり50アップがモンドリング、そのバスが今のサメウラ湖の主力級バスの状態を一手で把握させてくれる事となった。最初に最も難しいビッグバスの状態が解かることほど幸いなことはない。最も難しい正解にいきなり辿り着いてしまうのと同じだからだ。

ビッグバッツを丸飲みにした2尾目のモンドラー50アップ。
バドの再来かと思ったが・・・。

ただ、さすがに2001年のバド再現か!と言える程、サメウラ湖にかかる現TOP50のプレッシャーは並大抵ではない。期間中、ビッグバッツではもう1尾50アップを追加する事が出来たが、トータルでは本戦で通用する程の威力は、天候の力を借りなければ厳しいのが現実だろう。

初日に続き、またまた出てしまった楽勝50アップのバッツバス。
前半はほとんど水面系・・・。

現実的に今回のサメウラ湖では、25cm前後は誰でも入れ食いに近いが、狙って35cm700gを超えるバスを釣る事が難しく、1キロオーバーのパターンに関しては相当難易度が高い状態だと思えた。恐らく次戦の予選突破ラインは現状なら2日間で6キロが安全圏、上位に絡むには最低7キロがベースラインだろう。

連日のように釣れる50アップ。
ハマると恐ろしくハマるのがサメウラ湖。
天国と地獄が背中合わせだが・・・。

その中でほぼ毎日のように2キロ近いバスを釣り続け、安定して4キロを超え続けれた事は、今の状況だけを考えればドストライクを射抜いた練習となったかもしれない。これほど綺麗にパターンにハマって釣れることも珍しい程、今回の練習は肉体的には疲れのピークだったが、気持ちに余裕があったために様々なルアーのテストにもなり、楽しく充実したものになった。

このルアーが今回の本命ルアーだった。
恐らく誰も気が付いていない意外なルアー。
果たして本戦で通用するかまさに勝負ルアーだ。

しかし、恐らく本戦ではあまり参考になるものではないかもしれない。何故なら現在のサメウラ湖は猛暑のあおりで急激な減水傾向にあり、練習開始時の水位は海抜317m80cm、それが7日間の練習終了時には315mと、2m以上も減っていた。ダム管理事務所の水位予測ではまとまった雨が降らない場合、試合時には306mを切る事が予想され、練習時との水位差は実に11m以上。状況を含めサメウラ湖は見た目も地形も全く違った湖に変貌している事は間違いない。事実上これはぶっつけ本番に近い状況が予想され、旧吉野川戦以上に激しい変化と読みの勝負となる事は間違いない。今回の練習結果が本戦ではほぼ全く無意味に近いものとなり、如何に本番、バスの動きに素早くアジャスト出来るか、まさにアングラーの真の総合力を試される波乱の最終戦となる事は間違いないだろう。

今回の水位に限っては、恐ろしい程デカイバスの動きが良く見えた。しかし、本戦ではその場所は陸の上だろう。
良いテストにはなったが・・・。

私自身、今回の練習は場所の選定ではなく、日々減水する水位に敏感に反応するベイトフィッシュの動きに着目した練習を重ねてきたつもりだ。その日その日の水位の反動が激しいサメウラ湖では、バスが一時的に多く溜まる場所と言うのが現れる。毎日の様に変わるその場所にいち早く3日間、辿り着けた者が今回の試合の勝利に近づく事が出来るだろう。そしてサメウラ湖のバスは昔から激しいプレッシャーがかかっても、状況次第で「強いルアー」に果敢に反応する個体がいることでも知られる湖である。今回の練習釣果は全く参考にはならないが、そこに辿り着くまでの過程は必ず本戦で強いコンフィデンスとなってくれると思いたい。

雨の日はリザーバー専用機種「ジレンマ・SUPER STEEP」で入れ食い状態になった事も。
ただし9割が20〜28cmでしたが・・・。

少なくとも、自分にやれる事は全てやり切った。後はどれだけ疲れと痛みを取り、体調をフラットに持っていけるか、それが何より最大の課題である。それさえクリアできれば、決して優勝も遠い夢物語ではないと思っている。


自然豊かなサメウラ。
散歩してると朝露に濡れた山ユリが咲いていた。


まさに高知トレーニングならぬ高地トレーニング。
絶景の雲海を見下ろしながら
毎朝、5時には散歩してました。

 

 

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