腕が上がらなくなるまで延々と護岸をフィリップし続けたエリート5。
シャッドで手堅くも考えたが、ぶっちぎりの優勝だけを狙った。
来年は果たして出場できるのだろうか・・・。
検査結果が出た。結果は予期していた通り「グレー」。来週再度専門的な精密検査を受ける事になった。今季も正直言えばとてもベストとはほど遠い体調が続き、真っ白な無罪放免とはならないような気がしていたが、正確な結果が出るまでにはまだ暫く検査が続く事になった。全く、本当に癌と言うやつはしつこい。「明日がある事が奇跡」と言う映画の台詞を借りるわけではないが、明日、そして来季の予定を立てたくても立てる事が出来ないこのもどかしさと悔しさが一番辛い。同時に普通に日常を過ごせる事が、そして週末の釣行予定を立てる事が、如何に幸せな事なのかを痛感する。
今回受けた検査は、「PET-CT」と呼ばれる検査である。癌の手術から2年半が立ち、最も再発の危険性が高い時期に差し掛かったため、全身への転移再発の有無を判断するために某大学病院でシーズン終了後に受ける事になっていた精密検査だ。検査費が高く保険が効かない(再発転移確認の場合は保険適応)等の弱点もあるが、この検査は現在、癌発見の最先端医療検査とされ、その精度も信頼性も非常に高い。何より頭のてっぺんからつま先まで、一度に全身をくまなく検査できるため、欧米では既にもっとも主流の検査となっている。
検査費は、数年前までは30万円代、最近ではようやく10万円代に落ち着いてきたが、苦痛を伴う胃や大腸の内視鏡検査に比べ、肉体的負荷がほとんどなく2時間半ほどで終了する非常に楽な検査である。ある意味、癌の早期発見と言う点に絞って考えれば、結構苦痛な人間ドックよりは遥かにお勧めである。40歳までは外傷性腰痛以外、全くコレと言った病気には全く縁がなかったが、さすがに40歳を超えると誰しも多かれ少なかれ何かは出てくるものである。特にバスプロ業界の人間は35歳を超えても、きちんとした定期健診を受けている人の方がおそらく少ない。今の日常が「当たり前」と考える前に、そして手遅れにならないうちに、一度は高度な癌検診を受ける事をお勧めする。症状が出た時はもう遅いのである。それはある日突然、なんの予告も前触れもなく、誰にも平等に起こりうる悲劇なのだ。
| 応援本当にありがとうございました。
何事も諦めだけは人一倍悪いので、必ず再びここへ戻ってきます!! |
と言う事で、今回のエリートと来期への目標と展望については、また今暫くお預け…。エリートに関しては今月末のルアマガで詳細同船レポが掲載されるので、そちらの方が早いかもしれない。
そこで今回は今月頭にリリースされた「モグラモスチャターの簡単なチューニング法」を解説しておこう。ルアニューに写真を使いたいので今回写真はお預けだが、今季、琵琶湖ではイマイチ不調だった虎バスチームのメンバー達が、ここ最近、モグラモスチャターとモザイク300Wを手に入れて以来、スーパー絶好調に大変身。モグチャもモザイクも動きの性格上、非常にウィードフラットとの相性が良いようで、この2つは現在、密かに琵琶湖で猛爆中らしい(本当に秘密にされているみたい…)。まだまだシーズンオフには早いので、是非このラストチャンスを楽しんで欲しい。ディープクランクは特に12月が一番熱い季節ですからね。
| モグラモスチャターとモザイク300Wで久々の大爆発のトラバスチーム。
テスターとしても最高に解りやすいイマカツ・プロスタッフ?です。 |
さて、それではモグラモスブレードの簡単チューニング法。
まず、モグラモスブレードは奇妙な幾何学模様場付いている。これはデザイン的側面もあるが、むしろ機能的側面を持つ模様なのである。この手のブレードは、そのキモである先端部分の「反り」を微調整する場合、正確に左右綺麗に曲げるのが実は非常に難しい。そこで、一見、デザインのように見えるこの模様には、ブレードを写真の様にペンチで挟む事によって正確に「反り」を調整できる「折れ線」の役目を果たしてくれるのだ。写真の様にペンチを当てなくとも、この折れ線のおかげで硬いバネ材のブレードながら、比較的正確に先端の反りを微調整できるようになっている。
| このように横線が折れ線(リードライン)となっているモスブレード。
ここの反り具合で様々なトレーラーに対応できる。 |
さてそれではこの先端の「反り」の役割だが、反らす方向によって「チドリ」具合、そして「浮き上がり具合」に大きな変化が出る。
このようにフック側に反りを強めれば強めるほど、モグチャの千鳥は安定し、浮き上がりも抑えられる。
| 標準装備の順反り。
これはジャバシャッドISプラスの抵抗と重量にマッチさせているため、トレーラーはジャバシャッドで最高の千鳥バランスになる。 |
一方、完全なフラットにするとモグチャの千鳥具合はかなり激しくなり、ある意味「オーバー千鳥」となってしまう。むやみにまたその日のコンディションによって千鳥過ぎを嫌う事も多々あるので注意して欲しい。私の感覚では、中層にライズアップさせたい時ほど、言い換えれば中層で喰わせるときにこそ「千鳥」は効いてくるように感じる。
| フラットに戻した状態。
ジャバシャッドだとかなり強烈にチドる。
浮き上がりが早く、抵抗も大きいため、私は濁った浅い場所で使用する時にチューンする。 |
そして最後に「逆ゾリ」と呼ばれるこの方向に反らせると、千鳥はさらに激しさを増し、ジャバシャッドでは制御が効かなくなる。モグチャはもともとジャバシャッドの重量、抵抗で上手くバランスが制御され、あの奇蹟の千鳥が発揮されるのであって、他のトレーラーだと重量バランス、水の抵抗が崩れ、全くチドらなくなったり、逆にジャバシャッドでは良かった千鳥が、制御不可能なほど荒チドリになってしまう事がある。これを調整するのが「反り」の調整なのである。
| これが逆反り。
フックと反対方向に反らす。
激暴れになるが、トレーラーの大きさ次第で制御できる。 |
たとえば、デスアダーの6インチをモグチャに付けると、千鳥は非常に地味なモノになる。しかし、その場合、ブレードを逆ゾリにすると、ジャバシャッドでは大暴れだった千鳥が、デスアダー6インチでは丁度いいチドリに収まるのだ。私はこの場合、トレーラーフックを装着するが、トレーラーフックを付けるとさらに普通では千鳥は消えてしまう。その時にブレードの反りの調整でベストの千鳥へと調整している。
すなわち、トレーラーがジャバシャッドより軽く抵抗が少ないものであれば、逆に「順反り」度を増して調性すればよく、抵抗が大きく重いモノならば「逆ゾリ」度を上げてベストな千鳥具合に調整してやると良い。モグチャの千鳥具合は状況と個人の好みであり、各フィールドでベストな千鳥具合を見つけ出して欲しい。
苦闘の道のりはまだまだ続く。
しかし、「CATCH THE IMPOSSIBLE」、何事も諦めない限り、可能性は残る。 |