メキシコ遠征レポート(ルアニュースより転載)&お礼の巻

2008年12月初旬のバカラック。
完全な満水ブッシュ地獄です。

07年3月末のバカラック。
湖もこの人もずいぶん1年で変わりましたね…。

あ〜やっと終わった…。先日メキシコから無事帰国し、家に着いてはじめに思ったことがこれ。復帰元年となった今年は自分にとって本当に苦しい1年だったが、全く歯車がかみ合わなかった前半に比べ、後半は次第に復調し終わってみればTOP50へのお立ち台復帰、完敗はしたがエリートでの納得のいく2位、そしてその甲斐あってか形だけは来年度TOP50ランキングも9位とシングル復帰する事が出来た。ここまで体調的には過去最悪と言って間違いないほど悪く、この結果は自分的にはよくここまで戻ってこられたと言うのが本音である。特に桧原湖遠征の際に再発した腰痛はまさに泣き面に蜂で、毎朝起きるたびに今日で終わりかと悩まされてきた。そして最後の大仕事、メキシコ遠征はバカラックの肉体的キツさと不便さ、檜原湖、遠賀川、そして利根川と息つく間もなく続いていた遠距離連戦を考えると、医者からは延期を指示されていたほどで、内心自殺行為に近いのではないかとすら思えた。しかし、この1年の節目となる大仕事をやり切ることでしか今後自分が何をするにおいても、自信と勇気を取り戻すことができないと思い、覚悟を決めて向かったメキシコロケだった。

当の本人は悲壮な決意?でしたが、中には旅行気分でワクワクな方もおられました・・・無国籍人のマイケルです。

そして先週、そのメキシコロケを無事終了し今年の大仕事をすべて完遂し帰ってきた。良くも悪くも結果的には(その理由は後述するが)、過去最高の結果で無事帰国する事が出来た。実釣7日間で62〜67cm、10ポンドを悠々と超えるマグナムバスが実に2桁オーバー、まさにきつく苦しかった今年1年の思い出を、最後で全てひっくり返してくれるような最高のバスフィッシングを満喫する事が出来た。過去2回、10ポンドを釣るのにあれほど苦労をしたバカラックだったが、まるで今年1年を締めくくるご褒美のように、バスたちが祝ってくれたのだろうか。

ジンとの3度目の再会。言葉はほとんど通じないが、もう異国の友人。同い年だけに話も合う???。

さて、今回のバカラックだが、実際のところは何とも微妙な状況にある。過去2回の経験から地形的な事はある程度把握していたつもりだったが、このバカラックと言う湖は行くたびに予想を大きく裏切る全く違った表情を見せる、極めて変化の激しい湖のようである。今年のバカラックは雨期に山間部に非常に雨が多かったらしく、本来は減水期にもかかわらず12月現在でほぼ満水。これはエルサルとも同様で湖は昨年3月に比べると、約12m近い大増水、1月に比べても7m近くも増えていた。水温は22度。気温は朝が12度程度で昼間は28度くらいまで上がるが印象的には日本の晩秋って感じだ。水面面積は倍近く広がり、風景は完全に一変、1月のブッシュ地獄を通り越し、広大なシャローは一面灌水ブッシュだらけ、リザーバーと言うよりは完全に自然湖の様相を呈していた。ここ数年不調が伝わるエルサルトの原因が水位の高さにある事と同じく、今年の大増水バカラックは行って初めてわかったのだが「激不調」のレッテルがアメリカ人からは貼られていたようだ。これが事前にロッジへの問い合わせでは返答が全くいい加減で解らないのが恐ろしいところで、なんと11月はキャンセルが相次ぎ、月半分はロッジの営業を閉めていたと言う事実まで発覚した。12月においても現時点でビッグバスロッジはガラガラという「既に3月まで満員」と言う事前情報とは180度違っていた。これが海外のいい加減で恐ろしいところだ。

大増水&冠水ブッシュまみれだった今回。
苦戦は必至かと思われたが、初日あっさり・・・。

しかし、それでは釣れないのかと言うと、結果的にこれがビミョー。おかげで釣り人は少なく、プレッシャーはここ数年では一番低い。到着した時のロッジオーナーの現実的な情報ではいい人1日一人3〜5本、ボーズも珍しくないと言う。これは3月に行った時の1人50アップ1日30〜40本楽勝と比べると衝撃的数字である。しかし、逆に今年は釣れれば大型が非常に多く5本釣れれば1本は10ポンドオーバーが混じる確率がきわめて高く、12〜13ポンドクラスも毎日誰かに1本は出ていると言った状態だった。実際、私たちと同じ期間に滞在していたアメリカ人12人ほどの釣果は1日当たり一人0〜3本がほとんどだったが、12人中1〜2人は10〜12ポンドを毎日誰かが釣っている状態だった。

ナベは今回、クランク&バイブレーション&新作ワームの担当。IK-500R2&世界最高のグラスロッドを堪能していた。

概算してみると4〜5日の実釣で10ポンドの確率はそこそこ上手い人なら、夜明けから晩まで頑張れば釣れれば今年はまずまず確実に1〜2本は62〜67cm、10〜12ポンド(重量に関しては運が大きいが…)を土産話に釣って帰っていけると言うなんともビミョーな状況にある。

ちゃっかりナベも新作バイブレーション「ピラーニャ」で
10ポンドオーバーゲット。ご満悦です。

07年1月スポーニング直前、大寒波襲来で日本の真冬並みだったの喰わない難しさ、日中の気温40度、完全なアフターで60アップは入れ食いだがウエイトが全く乗らずに9ポンド地獄に陥った同07年3月末に比べると、釣れないが釣れれば10ポンド率60%以上!と言う今回の状況は、到着してその情報を目の当たりにした我々取材班には正直、かなりビミョーな空気が漂った。なんせ、前回、55アップ怒涛の入れ喰いをスタッフ全員が経験しているだけに、勝手知りたる今回は様々な2009年向けイマカツ極秘新作達&エバーグリーンカレイド新作を使って、自由自在に?釣りまくり?映像収録を企んできていただけにかなり重々しい空気になってしまった。

バカラックは増水で巨大化。
その広さは霞ヶ浦より遥かに広い。
そして時に琵琶湖以上に荒れることもあった。

そして翌日、今回は体調がいまいちなので前半3日、中日休憩、後半4日のロケ日程で、出船も毎日8時頃とかなりスローペースに計画した。バカラックのロッジでは朝夜明けとともに出船が半ば強制的ルールのようになっており、逆にこの毎日のスロースタートを申し入れる方がロッジスタッフの朝の用意が面倒臭いらしく、かなり嫌な顔をされる。しかし、さすがに今回はロッジスタッフや専属ガイド?のジンも私たちの事をよく解ってくれており、非常にリラックスしてマイペースで過ごすことができた。この3回の釣行でロッジスタッフの日本人アングラーに対する接し方には大きな変化が見られ、超絶アメリカ人贔屓&ウルトラハイテンションでのチャチャ入れは影を潜めた。ロッジ内には嬉しい事にアメリカとメキシコの大きな国旗と共にいつの間にか日本の国旗が同様に並べられ、私の写真もオーナールームに飾られていた。

ジンのプリモなポンチョ。ポンチョももはや友人。
若いが非常にテクニシャンで信頼できるお勧めガイドである。

そして日本人アングラーからのメッセージも私宛に残されていたり、なんと今回はイマカツラブフィッシュコーナーの春将軍の一人と偶然、ロッジで出会うなど、ようやくバカラックも日本人に対して理解が開かれてきた感じを受けた。現在も日本人アングラーの予約がかなり入っているらしいが、アメリカ人客は釣れない情報が正確に入るようで、あっさりキャンセルしまくっているらしい。そのため12月は満室予定だったのが実にクリスマスまでは日本人以外はガラガラという状況だったのである。それだけに日本人客に対してもちゃんと対応するようになってきたのかもしれない。

ロッジスタッフとも、もう完全にプリモー!!状態。
何故か朝から友人に会ったらプリモー!!と絶叫するのが
バクラト村の掟??。

さて、肝心の釣りの方だが、噂にたがわぬほどサイズを問わずバス1本を釣ることすら「簡単」とはほど遠い状況だった。今年のバカラックは巨大テラピアと5cmほどのシャッド、テラピア稚魚が増水によりスポーニングに大成功したのか、いたるところに超大量発生しており、その想像を絶する量のベイトの存在がバス達の行動に大きな変化を与えていた。

日本では見られないコノシロのようなシャッドが大量発生。
こいつのレンジが今回のカギを握った。

あまりの大量の餌にバスがルアーに見向きもしない状況で、例年なら12~2月の最強ルアーとされていたゲーリーセンコー7インチなどの高比重ストレートワームのワッキーリグは無限灌水ブッシュの発生と相まって激不調。じっくりスポットで狙う手堅いはずのワーム系が逆に一番難しい状況になっていた。今回はイマカツ2009年新作としてワーム4種類、プラグ系6種類を持ち込んでいたが、意外にも楽勝を目論んでいたワーム系が苦戦を強いられる羽目になった。

楽勝と思っていたワームの撮影が逆に大苦戦。
しかし、ハードベイトは2009年のイマカツコンセプトにピッタリな状況でもあった。

これほど釣れない状況、すなわちパターンが少なく思われる状況で各種個性の全く違うルアーで釣り分けるのは、目的が前回の様に10ポンド狙いならまだしも、未知数の新作ルアーの実戦ロケとしての目標達成は困難に思えた。しかし、釣りとは本当に不思議なもので楽勝で釣れると思って行けばなかなか釣れなくて、厳しいと思って行けば結果は逆に大漁だったりすることが多々ある。

クランク&グラスロッドでこんなの釣れたら痺れますよ!

今回の不安は実に初日早々、前回の黒帯ロケが何だったのかと思うほどあっさりと10ポンドを遥かに超えた見事な体形の60cm後半のバスが、慎重を喫して投入したバクラストンを丸飲みにしてくれた。
そしてその心配が杞憂だったことを証明するかのように、2日目昼には新作サブサーフェイスルアーでこれまた10ポンドオーバー3連発と言う驚異の映像を収録する事に成功する。今回のバカラックはいくら厳しかったと言っても編集後のDVDではたぶん誰も信じてもらえないだろう。現実には確かに1日5〜10尾程度の釣果だった。しかし、やはりマグナムビッグバスの魅力とはたとえ1日1本でも、その1尾のために遥か地球の裏から2日以上をかけて訪問した釣り人を十分に満足させてくれる、とんでもない魅力を秘めたゲームフィッシュなのだと実感させられずにいられなかった。すでにメキシコ・バカラックは私のホームレイクになってしまったように思う。ここバカラックの絶叫プリモー!達に毎年、元気に会いに行くことを目標に来年も頑張りたいと思う。

今回は2007年3月に鬼ほど釣れた9ポンドが、太って10ポンドを超えたって感じ。
アフターの方がよく釣れるが、同じサイズなのにプリだと2ポンド近く違ってくる。
10ポンドを釣りたいなら数は釣れないが1月まで、60アップを確実に釣りたければ数釣り楽勝の3月以降がお勧め。


                                        
PS.
おかげさまで様々な情報が集まり、ようやく全て読み切ることができました。情報提供本当にありがとうございました。
中には興味のある治療法もあり近日中にメールにて返信し相談に乗っていただくかもしれませんので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。ちなみに今回、椎間板ヘルニアに関する情報が非常に多かったのですが、私の腰痛の病名は椎間板ヘルニアではなく、正式にはかなり重症の「不安定椎間板変性症」と言うもので、椎間板ヘルニアの手術適応ではありません。この症状は椎間板ヘルニアほど確固たる治療法(レーザーなど)が日本では確立されておらず、ゆえに欧米で普及している椎間板熱凝固法IDETを某大学病院臨床オペで受けました。しかし、一時的に軽快したものの完治とはほど遠く、今年9月さらに重度になって再発してしまいました。今、予定している治療法はIDETと同系の対処法で、椎間板内の痛みを感じる神経を熱ナイフでカットしてしまう一種の神経ブロック的対処療法です。メリットは入院が最長でも2日程度で術後の早期復帰が可能な点です。しかしこれは痛みを発生している椎間神経を麻酔なしで探し出す作業が事前にあり、これが拷問にも思える激痛を伴います。特に私は第2第3椎間板という位置的なレアケースのため、通常の5番6番に比べ更に激痛を伴うようです。そして効果は永久的ではないのが問題です。そのため最終的に医師とは「人口椎間板置換手術」を相談しているのですがこれもまた日本ではあまり実績がなく、関東の大学病院か海外まで行く必要があり、入院も2週間以上リハビリ1ヵ月になるようです。大手術でもあり来年の開幕を考えると手術を受けるタイミングの判断に迷います。私の腰痛はこういった点でヘルニアように明確なものでないために逆に治療法が難しいようです。
ちなみに整骨整体、鍼灸は30代の時にありとあらゆる所に行っていますし、著名なトレーナーにも見てもらっています。しかし、ごく一時的な軽快はあっても改善はされていません。かつて水泳も2年以上通い1500mは軽く泳げましたが、ある日ジムの帰り際、駐車場で激痛に襲われ動けなくなってしまったことから水泳を断念した経緯もあります。現在は9月からほぼ常時、特注コルセット2枚を同時装着し何とかギリギリで凌いでいる状態ですが、それでもほぼ2日に一回(朝)は軽いギックリ腰状態になりボルタレンとブロック注射を併用している状態です。初めて病状を詳しく公開しましたが、この症状の改善が見込まれる良い治療法があれば再度インフォメールにて情報提供をお願いいたします。

 

 

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