緊急告知!超難解?飼養に関する環境省パブリックコメント対策。
先日、また新たにパブリックコメントが募集された。今回のパブコメは種の選定とは直接関係ないが、飼育、養殖等(飼養と呼ばれている)に関しての法律施行規則案に関するパブコメである。具体的に問題なのはバスを飼っている場合や、バスの釣堀関係の仕事に大きく関係してくる法律である。一般のバスアングラーに関しては直接関係なさそうに思えるうえ、読みこなすだけでも頭が痛くなる内容である。
環境省[報道発表資料]から省令条文案(施行規則案)を読んで見てほしいが、なんせ難解である。しかし、何よりこの法律に関する関心が薄れてきたと環境省に安心感を与えないためにも、一度勉強してパブコメを送ってほしい。詳しくはまたBFNでも報告されると思うが、先立って私の見解を書いておこう。
まず、今回のパブコメの意見募集要項は下記の通りだ。

意見募集要項(環境省HPより一部抜粋)

平成17年3月18日
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行規則(案)に関する意見の募集(パブリックコメント)について

1.意見募集対象
 今回の意見募集対象は、法運用のための細則等を定める施行規則(主務省令)となります。その主な内容は次のとおりです。
・飼養等の禁止の適用除外となるやむを得ない事由がある場合(法第4条第2号)
・飼養等の目的(法第5条第1項)
・飼養等の許可の申請の方法(法第5条第2項)
・特定飼養等施設の基準とその他の許可の基準(法第5条第3項第2号) ※1
・飼養等の許可に当たって付することのできる条件の例(法第5条第4項)
・特定外来生物の取扱い方法(法第5条第5項) ※1
・譲渡し等の禁止の適用除外となる場合(法第8条)
・防除の公示に当たっての関係都道府県の意見聴取の方法(法第11条第2項)
・防除の確認・認定の申請の方法(法第18条第1項、第2項)
・未判定外来生物の輸入等の届出の方法(法第21条、第24条) ※2
・外国政府機関が発行した種類名証明書以外の証明書(法第25条第1項)
・輸入場所の指定(法第25条第2項)
・特定外来生物の防除に係る行為の一部を自然公園法等の行為規制の適用除外とする場合
・各種証書類等の様式(省略)

※1 特定飼養等施設の基準の細目等については、別途、特定外来生物の種類ごとに主務大臣が告示において定めることとされており、これらの告示案については、特定外来生物を定める政令の閣議決定を待って、作成する予定。

2.意見募集期間
 平成17年3月18日(金)〜平成17年4月7日(木)17:30まで

3.意見の提出方法
 御意見のある方は別紙の「意見募集要項」に沿って郵送、FAX又は電子メールにて提出。意見募集要項に沿っていない場合、無効となる場合がある。

簡単には以上のようになっている。これに関してパブコメの意見内容として考えられるのは、
「バスを飼養している場合はその旨の申請を6ヶ月以内に法規第二条に基づいてしなければならないのだが、特定外来生物の種の選定が現段階でまだ決定しておらず、4月の閣議で種が決定された後、すぐの6月からの半年間で申請を行なうのは、告知の徹底化から見ても余りにも短すぎる。最低でも、1年間は申請を受け付けるべきである。」などの意見が考えられる。
また、第三条三項の「生業の維持」に関していえば、生業の維持に関しては、「釣堀や養殖関係に携わっている人もいるわけで、もっと具体的な指針が示されなければ、大きな混乱を生むと思われる。また、生業としている人々の意見を聞きながら、現実的な項目を検討すべき」などの意見も考えられるだろう。

これに関連しては第七条の「特定外来種の飼養にかかる数量変更報告義務」も、固体の大きな動物に関しては可能かもしれないが、釣堀の水中で自然に生まれた稚魚の数なんてどうやって数えるのか疑問?まず不可能。西洋マルハナバチに付けたら刺されるし飛べへんぞ…。

また、第八条に関してはその「新しく増えた固体に関してマイクロチップやタグを付けなければならない。」とあるが、これまた水中の魚全部にどうやって付けるのだろうか。釣堀でも自然繁殖はするだろうし、いちいち水から上げてマイクロチップを付けてたんじゃ商売にもならないし、魚も弱って死んでしまうだろう。魚類に関してはどう考えても非現実的な法令である。

第一三条「主務大臣等は、防除の公示をしようとするときは、あらかじめ、当該防除の公示の案を関係都道府県に送付するものとする」に関しては、またしても「大臣が各都道府県に一方的に防除指示を出す恐れもあるので、各県で公示に対するパブコメをするべき」などもある。ここも重要なポイント。

ただこの各項目別についてのパブコメとなると一応法学部法律学科卒の私にもハッキリ言って省令条文案自体を読みこなすだけでも四苦八苦である。むしろ大切なことは主の選定に関するパブコメが終わったことによって、このパブコメ数が余りに少なければバス問題に関する関心が薄くなったと取られる方が問題だろう。

そこでこのパブコメは原則的には上記内容にかかる案件だが、本文にも「主な」とかかれているのでまず全体の施行規則にかかわる意見を書き、追記でバス指定後に関する法規制の不備に関して要望を書く方法もある。
たとえば、特定外来生物に選定された種に対して、今後、その影響度合いや生息数、分布域等、科学的調査が行なわれ、特定に指定する程の影響が無いと判断された場合には、特定外来生物から除外する旨の記述を入れてほしいといった内容が考えられる。これは結構重要な意味を持つ。

また今回の飼養等に関するパブコメとは直接関係なさそうにも思えるが、以前から非常に気になっていたのが「移動」に関する規制である。今回の法案には具体的に何も書かれてはいないが、非常に今後大きな問題になりそうな気配がしている。
またひねくれて考えると、釣り人はバスを飼っているわけではないが、大局から見れば常に接触し「取り扱っている」と言ったとり方も出来る。

このバスの取り扱い?に関して環境省は環境省外来生物法Q&Aでの特定外来生物を釣ってもいいのですか?」の質問に対して下記のように回答している。(参考:環境省外来生物法)

「特定外来生物に指定されていても、釣りをすることはできます。禁止されることは、例えば釣った魚を持って帰って飼うこと、移動させて放流することです。したがって、釣った特定外来生物をその場で放す「キャッチアンドリリース」は問題ありません。また、釣った特定外来生物をその場で締めた上で、持ち帰って食べることも問題ありません」。

しかし、これまた結構微妙な回答。「移動させて放流」がどのレベルまでなのかが曖昧である。たとえばオカッパリ大会でビニール袋に入れて検量に向かうのはどうなのか?「その」とはどこまでが「その場」か、これまた微妙?写真を撮るために魚を持って走って仲間のところに行ったら、移動とみなされ捕まったなんて、それでは釣り禁止に等しい。キャッチ&リリースオッケーだからといって安心していると、この「取り扱い」細目における主務大臣の解釈次第では気がついたらバス釣り不可能なんてことにもなりかねない。
釣り天狗とまで呼ばれる釣り人と釣り大会は切っても切れない縁が有る。これは言ってみれば釣り歴史から生まれた釣り文化の一つでもある。環境省も釣りの作法を規制するためのものではないと言ってはいるが、釣り人が無関心すぎるとまた報道なんかの偏った意見、進言に影響され、知らぬ間に「陸に揚げてから動いたら移動とみなす」なんて言うとんでもない事も十分考えられる。
これってキャッチアンドリリース禁止と何が違うの???こういったことが起こらないためにも、気持ちよく大会が出来るようにするためにも、環境省に先に釣り人側から釣り大会の意義、釣り大会=違法放流ではないことの明記、もしくは陳情の意味もかねて今回のパブリックコメントには直接関係はないが付記しておく必要があるかもしれない。
釣り大会がなくなったら逆にバスは激増しそうだけどね…。

とにかく、バス問題に関して10万件のパブコメがあったのに、ちょっと難しい話になると激減とか、関心がなくなったと思われないためにも、更に建設的なパブコメを送り、環境省に理解してもらえるようよう頑張りましょう!

 

 

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