K.imae Today's Tips 1723『ガンナーに翼を』

テムジン電撃正統後継機種であり、電撃史上最長で、
「最強パワー」を持つブラックガンナー70H。

2017年はこのブラックガンナーの進化に一番労力を裂いたといっても過言ではない。

電撃史上最強最速のパワーとキレを持つ正真正銘の元祖ジグロッド「電撃の系譜」。

その電撃の最大の弱点が「キャスタビリティー」、即ちスポットアキュラシー。

高弾性、ビシッと張りのあるEXファーストテーパー。

その圧倒的なキレと張りから、キャストにおけるスイートスポットは狭い。















もともと電撃は琵琶湖で元祖コンバットスティックの
フラッグシップジグロッド「ガニングシャフト電撃」として生まれた。

当時の琵琶湖では大海原へのフルキャスト、藻穴ピッチングが主であり、
なんらキャスタビリティーに関して問題はなかった。

もともと、ボトムの障害物を的確に感知し、スピーディーな
ハングオフ&ショートフォールでのリアクションバイトを狙うジグロッドである。

自ら積極的にジグを動かし、バスのリアクションバイトを誘い、
喰う寸前の水流変化を事前に感じ取とり、喰ったと同時に上顎正面を一撃で貫通。

バスの反転など許さない神速の超高感度と日本刀のような切れ味が身上。

一瞬、ルアーのウェイトが消えたかのような前アタリ「スポンジフィーリング」を
瞬時に射抜く「リアクション・ジグロッド」こそが電撃であり、
喰わせて反転を待つ受け身のロッドではない。

超能動的に、超積極的に、超攻撃的な若き時代の自分のスタイルを
象徴する鋼の日本刀のような硬質極まるロッドである。

それゆえにキャストは身体能力でカバー、手首の強さ、
フィジカルの強さも必要な上級者専用ロッドだったといっても過言ではない。

このロッド一本で、自分は琵琶湖のトーナメントで成り上ったといっても良いかもしれない。















もともと電撃には特徴的な大型ダブルハンドフォアグリップが装備されてきた。

これは重いジグ&ビッグトレーラーを両手添えで積極的に泳がせたり、

どんな体勢からでもフォアハンドに逆手を添えて叩き上げるような
強引なフッキングをも電撃のスタイルだったからだ。

寄らば斬る、ひとたび斬れば一撃致命。

どんな体勢からでも一撃さえ打ち込めば、その後、ラインがフケようがバレない。

竿先が笑って逃げる前にバーブまで打ち込んでしまう…それが電撃の斬れ味だった。

しかし、それは同時に一般アングラーには、
キャストが極めて難い竿になることも避けられない事実だった。












しかし、リザーバーや霞ヶ浦中心の現代のTOP50では、
一撃必殺の神業的キャスト精度が試合の明暗を別ける。

これは明日公開するルアニューTV動画で、
レイダウンから湯原マグナムを仕留める前の映像。

誰もが絶対毎日狙うゴージャスなレイダウン。

故に遠距離から針の穴を通す精度のスキッピングで、
このレイダウン反対側まで貫通させるキャスト精度が必要。

クリア・ドン深ゆえ近距離のジグ撃ちからのボトムシェイクは無意味、寒い底にバスはいない。

日当りの良い、カバー内の中層に浮いているバスを
スコーンのスイミングで外に誘い出して釣る。

これをガチガチの電撃で、確実に距離を取って
一発で決めるには相当のキャスト熟練度が必要だろう。

ガサっと行ったら浮きバスは逃げてジ・エンド。

明日公開のこの映像はジグ使いの人は必見である。


















だから自分はここ数年、電撃の座をグランドコブラRSに任せていた。

キレを少々犠牲にしても、一発で遠距離から針の穴を通すキャスト性能が必要だからだ。

でも本家本元、ブラックガナーに「翼」を与えたい…

ブラックガナー70Hの強さにガンスリンジャー611Hの軽さ、そして針の穴を通す投げやすさ。

その無理難題が開発目標。

何時の時代も「電撃」は自分にとって特別な意味を持つロッド。

NG回数は過去最多。

年末に届いた最終プロトは、T1100Gナノアロイメイン、
サブシートの40トンにBoron繊維をコンポジットし、
更に狭角高密度4軸でベリー部のネジレを抑えた最先端プロト。

今まで内緒にしていたが、ラピッドガナーとエアリアルLEGENDには、
最先端のボロンコンポジット技術を採用している。

これによってガンナー特有の鋼の高弾性と金属的ボロン剛性の中に、
T1100Gの限界でひと伸びするムチムチのキャストフィール、すなわち「翼」が与えられた。

まあ、今回もガイドセッティングはマジ完全に終わってましたが…。


















試行錯誤の末、ラピッドガンナーRSは徹底した自分の好みに再セッティング。

ノーカンジなスコーンでも感じ取れる超高感度ティップ化するために
敢えてマイクロガイドを選択。

しかも5番以下のKBガイドでWフット並みの強度を確保し、ティップ~ベリーに集中配置。

5.5以上のKBでは強度不足と脚の高さで、ストローク終わりの電撃アワセじゃ
ティップダンス(ティップの笑い)が抑えられないから。

このRSは新シリーズ中、最強に尖がった自分専用電撃セッティングにしてみた。

やはり年末ロケで、電撃は笑っちゃいけないと痛感。

このプロトとセッティングが間に合って欲しかった…。

一方でGTはシカキングの要望でオールWフットでポジションと番手を全チェンジ。

タフネスとパワー、扱いやすさ重視のバーサタイルセッティングに変更。

果たして、「ラピッドガナー・ザ・電撃」、ショーに派どんな姿で出てくるのか。

このRSはソートーいっちゃってますのでお楽しみに。

とにもかくにも、この無理難題をEG年末休みの中、
2日で仕上げてくれた擬似餌やキャプテン青木君に感謝である。

 

 

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