K.imae Today's Tips 1483『カルピス樹脂』
最近、ごくごく一部コアなアベンター達の内輪で話題沸騰中の真っ白なアベンタ。 ちなみに「AVENTER(アベンター)」とは、アベンタの上級使い手のこと。 これが何で話題沸騰って? ただのボーン素材ちゃうんけって? ちゃいまんねん、話はそう簡単でわ。 ことの始まりは、この骸骨みたいにハゲまくった最初期型アベンタ君。 使い手はアベンターのシカキング。 「このハゲーッ!!」なんていっちゃいけません。 殴られますよ。 まあ、しかし、ようもここまで使いこんだもんで…。 シカ君が超大切に、ここ一番だけで使っているというこのアベンタの動きを、 三原が東条湖ガイドで見て明らかに違うって驚いた事から、 「コレ、めっちゃヤバイ!!」ってワシの耳にも届いたワケです。 内心「えらい事に気付きよったわ…」と困惑。 いまさらジロー♪って頭の中でグルグル。 ここまでの成り行きはコチラ。 https://ameblo.jp/jr175/entry-12297570436.html この剥げまくりのアベンタ、実はアベンタの初回出荷ロットの1つ。 アベンタには初回出荷のみ、今とは違う樹脂が使われていました。 最初期型には現行にはある羽根の骨折防止用のボディー左右に突起部がありません。 シカ君はそれを大切に使い込み、羽根が折れたのでGTのアルマイトブラック羽根に交換。 これが三原も真剣に唸った神アクションを実現させてたから大変…。 実はこの初回アベンタに特別に採用したカルピスのようなやや透け感のある純白樹脂が通称「カルピス樹脂」。 よく言われる、やや黄味のあるABSのナチュラル骨色「ボーン樹脂」ではありません。 このカルピス樹脂、アベンタには最強無敵に動きが出る最高の素材でした。 当初はこれしかアベンタは考えられなかったのですが…。 出荷後、すぐに塗装剥離クレームが続出…。 特に黒との相性が最悪で、メイン出荷カラーだったブラックデビルはクレームの嵐…。 まあ、初回は少量出荷だったので助かりましたが。 慌てて剥離テストを様々な方法で試すも、何故か黒だけはどうにも剥離問題が解決できず。 やむを得ず、通常のABSボーン樹脂をベースに変更、既に生産したカルピス樹脂ボディーを全て廃棄し、 翌月出荷分から全て変更した苦い想い出があります。 同時に羽根骨折防止突起を金型修正、剥離トラブルも解消しました。 2017アベンタでは浮力を犠牲にする樹脂突起を再度廃止、 金属サウンドのGT台座にマイナーされて今に至ります。 ちなみに「アルマイトカラードウィング」は、ノーマルウィングより腐食蒸着加工のため 重量が軽く、デッドのキレがアップします。 まあまあ今はアベンターでは常識シークレットですね。 アベンタ開発当時はこの純白の無塗装樹脂が個人的には動きも音も最高だったんですね…。 初回出荷はブラックデビル系がメインで、箔張りのハス、 透明カラーなどが同時に出荷されましたが、黒の塗装が別格に良かったんです。 単色で濃度がMAXの黒は、薄く速く塗れるんですね。 それだけ重量増もないし、塗膜が薄いから音の響きもいい。 カルピス樹脂はABSボーンより高硬度なので、音も当然、良い訳です。 最初はこの樹脂しかアベンタには考えられなかったんですが…。 でもまさか、黒の塗装があれほど簡単に剥離するとは予想外でした。 で、本日、朝からややこしい人から、ややこしいメール着弾。 「ろ、ろ、ロクマル出ましたー」って。 写真を見て「あー、、、やっちまったぁ~~~」って本気で思いましたわ。 話をややこしくしてくれた張本人はこの人でした。 アベンタ無塗装カルピス版でロクマル3900gゲット。 https://ameblo.jp/tomozoufreedom/ しかもエレキ無しのレンタル2馬力艇…。 いろいろありますが、友蔵君の釣りへの執念と情熱には共感できるものがあると思います。 このド真夏に、一人で2日連続、エレキも無い2馬力レンタルで、 ハンデをものともせず頑張れるサンデーアングラーはなかなかいませんよ、ホント。 カルピス君が凄いというより、彼の執念と情熱のほうが数百倍、凄いです。 まあ、あの限られた条件で、アベンタカルピスでロクマル釣ったら、激アツく語るだろうね~。 ブログでの「水をはじく様なボディー」ってのが実に的確な表現です。 でもねぇ…まだ、黒の塗装剥離問題は未解決。 解決してたらとっくにやってるわけで。 無塗装も、背中と腹の接着面が紫外線と熱で時間が経つと黄変してくるんだよね…。 いっそ「すぐ塗装剥離します!!」って書いておきますか…いや、そりゃ元の木阿弥やろ。 ABSボーン樹脂と違ってカルピスボーン樹脂は一筋縄じゃ行かんのですわ。 これぞ、ワシ的究極の「不遇の名作」ってとこですな。 |