 | 最初の衝撃は亀山ダム。
もし直前台風がなければ主役だったかもしれない。
この時はトルクマスターでカバークランキング。
40アップ連発。 |
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今回の
イマカツ・クランクプロジェクトの目標は、扱う人を選ぶシークレットウエポンを作り出すことではない。むしろ
誰が使っても使いやすく、信頼して1日投げ続けられる「漁師の漁具」的、ガイド達の「生活必需品的クランク」を目標に開発を続けてきた。
ゆえに一見、非常に普通っぽく、それこそ写真だけではまず私たちが狙ったコンセプトは何も解らないと思う。だから敢えて写真の公開は余り気にしていない。むしろ、このクランク達(実は既に数種類ほぼ完成している。)には明確な
3つの絶対要素を最高に高めてある。
1つの要素は「飛距離」、これは当然だが、後の2つが非常に重要な要素になっている。この2つの要素は間違いなく「釣れる」と評価されるクランクは多かれ少なかれ必ず備えている。今まで解説されたことのない動きに関わる部分だけに、発売時期が決定するまで完全極秘コンセプトなのであります。曖昧ではなく明確な動きの判断基準なので、結構、センセーショナルなコンセプトです。
さて、この
クランクプロジェクトをやるに当たって、当然、市場に存在するありとあらゆるクランクを片っ端から買い集めては研究してきたのだが、その中で
とんでもないクランクに出会ってしまった。このクランクは過去の私の如何なる実績クランクベイトも同じジャンルでは色褪せてしまうほど、衝撃的に凄い奴に出会ってしまった。このクランクだけはどの湖のテストを通じても、その桁外れの釣れっぷりに愕然としてしまうほど凄まじいものだった。このルアーはいわゆる
シャロークランクなのだが、バスを誘う力に水深が全く意味を成さない。驚くことに水深が10mあろうが、沖であろうが岸であろうが、カバーであろうがウィードであろうが、お構い無しに笑ってしまうほどどこからともなくバスを引っ張ってきてしまう。それはまるで
魔法のクランクだ。
 | どこからともなくバスを呼んでくる。
そして狂ったように奪い合わせてしまう魔法のクランクだ。 |
私の中で
「お宝クランク」と呼ばれるそのクランクの名前は、以前、亀山ダムのプラでも少し紹介した、基盤リップのソニーBを輩出した
フラットシャッド社の「JP−S4」というスモールクランクだ。
 | これがJP−S4、発売以前にサンプルで貰った1個 |
問題のそいつは以前某店長から試作サンプルとして頂いた2つのうちの1つである。おそらくまだ名前のなかったこのプラグは、ビッグセールスを祈って製作者が魂こめて作った営業用プロトなのだろう、お腹にかなりヤバい字で
「JP−S4」と手書きされている。その汚い?字が製作者の自信と情熱にも思えた。
 | JP−S4の手書き文字がお腹に。
アメリカっぽいのが実に素敵。 |
驚いたことに、この1つのサンプルで既に40匹以上のバスを釣り、何度もぶつけながら、いまだローリングマークや歯形、傷すらほとんど付いていない。如何にコーティングにまで拘ったのかがよく解る。やや基盤リップが削れてきたのが不安なくらいだ。
 | 2つのサンプルがあって、こちらがスクエア。私のお宝。 |
 | こっちはラウンド。カバー回避力はやはりスクエアが有利。
リップラップではこちらを使っている。 |
そしてこいつの動きは、私も、藤木も、工場の製作担当の誰もが瞬時に声を上げ見入ってしまうほど衝撃的なものだった。何が素晴らしいって、見た瞬間に誰の目にも、
動物的に強く惹きつけられざる得ない、抵抗しがたい魅力のある動きなのだ。
 | ラウンドのこっちにはJP−R3。何の意味でしょうね?? |
そして今、このJP−S4は私の本当の「お宝」としてタックルボックスの最もVIP席に常に陣取っている。何故、こいつが「お宝」なのか、それがアメリカンクランクゆえの怖さ、楽しさなのでもある。すなわち、果たしてほぼハンドメイドの「JP−S4」が本製品化され大量生産されたとき、これと全く同じJP−S4が存在するか否かは誰もわからない。少なくともはっきりと言えること、それはこの汚い字でお腹に「JP−S4」と書かれた私のお宝クランクは、クローンは生んでもオリジナルはこれ1つだけしかない唯一無二の存在と言う事だ。アメクラ流に言うと、
「大当たり」って奴かもしれない。
 | ビミョーにセンターがズレているのがミソ???
ロッドはスティードがベストフィットでした。 |
こいつは本当に魔法のようなクランクだ。魔法のようにバスを呼んでしまう。このクランクには今年、本当の多くのことを学んだ。何かに接触させて使うのが主流の日本のクランキングにおいて、
クランクは何もない中層のバスを呼んで釣れるルアーだと言うことを、これほどまでに体現させてくれたクランクは未だにない。たった1つのクランクをこれほど大切に感じたことは何年ぶりだろうか。まるであの時の
「奇跡のバド」に出会った時と同じ感覚だ。クランクプロジェクトで出会えた真のアメリカンクランクの実力。運命の出会いを求めてあなたも探してみて欲しい。きっと
何処かにこいつを超える「お宝クランク」は存在するはずだ。
お宝アメリカンクランク編