エリート5・私の戦略・前編の巻
エリート5に勝利することは出来たものの、現実は薄氷を踏む思いの勝利だった。全ての予定外は初日と2日目の天候の激変。晴天無風だった初日から打って変わり、2日目は朝から大雨大荒れの天気になった。天候の急変は全てを劇的に変えてしまう。そこから何をどう修正できるか、それは現実を目の当たりにしたアングラーの苦い経験の数しか克服の道はない。

スタート前、久々に吐気を感じる緊張があった。
早明浦は5人のプラのプレッシャーから、確実に一筋縄では釣れなくなっていた。特に最も熱かったバックウォーターはプレッシャーと急減水(3日で1m以上減った)で直前には壊滅に近く、私は最終的にメインを下流〜中流に組んでいた。

広い早明浦に僅か5人のトーナメント。
それだけにキーパーやリミットは意味がない。
流れ的にはプラ前半にジャバロンが澄み始めたバックウォータ付近で爆発、バックウォーターが澄み切ってしまってからは中流の境目でクランクが爆発、そして中流まで澄み始めた後半は下流が一番イージーだった。上〜中流は普段の難しい早明浦に戻っていった。

一時はクランクが当たった状況もあった。濁りの層が鍵に。
そして最終的に濁りのあるエリアでもっとも効率よく、最後まで安定して最もビッグバスを確率よく手にできていたのはラリーニクソン直伝のフラッピングジグ、すなわちモグラ1/2ozシリコンブラックに最も優れたフラッピング効果が期待できる貯蔵3年モノの「ビッグダディーブラック」のコンビだった。濁りの中で最もコントラストを強調したカラーセレクトだ。

初日メインになったモグラジグ&ビッグダディー。
モグラはF認定品、コントラスト重視のオールブラック。
初日はこんな立ち木を
モグラ&ビッグダディーメインに狙った。
この組み合わせにこの大会に合わせるかのごとく遂に完成した3代目ガニングシャフト「ガンスリンジャー」がエリート勝利への最大の武器としてメインに据えられた。この「ガンスリンジャー(殺し屋)」は間違いなく電撃史上、最高傑作のロッドと言っても良い。

いよいよ完成したテムジンのバージョンアップ。
いいものは何も変えず、改良できるものは更に進化させた。
このタックルセッティングで立ち木やレイダウンの1m〜1.5m前後の中層を狙う。ボトムにつけたら只のキーパー、上で食わせればビッグフィッシュ。その傾向はテストクランクでもジグでもスイムベイトでも、見事に顕著な傾向だった。

スタリオンと並ぶテムジン最強破壊兵器
3代目ガニングシャフト、殺し屋「ガンスリンジャー」
特にクランクベイトはまた後に解説するが、濁りの透明度によって当たりクランクがコロコロ変わった。しかし、いずれの場合もボトムノックではガリガリのキーパーしか釣れないのが共通点で、動きの良し悪し以上に、とにかくバスの目線より下をルアーが通ると結果が芳しくなかったようだ。濁りが取れてくるにしたがってクランクは当たり深度が深くなる傾向が強く、濁りが強いほど立ち木の表層付近でのバイトが多発した。

クランクはイマカツテストVr5.
2つの秘密を持つクランクだ。
同じ立ち木でもディープクランクでは全く釣れないのに、シャロークランクに変えると水深に全く無関係にWヒットまでしてしまうイレグイなんてことも多々あった。無論この逆も起こった。バスは明らかに濁りの層をカバーか煙幕のように利用して捕食しており、同時に目線より上、濁りの層のやや上を動くものに強く興味を示すことが判った。このことがある時、誰も気が付かなかったビッグバスの思いもかけないポジションを把握する大きな糸口となった。

プラ中盤は最高の新開発クランクテストになった。
この傾向からクランクやジグのストロングな攻めのバックアップとして、もう一つ勝利の大きな鍵に気が付いた。
それは表層水から次第に水が澄み始めると、下の濁りの境の層に隠れるかのようにビッグフィッシュが付く傾向があり、ある「特徴的な場所」で高確率でサイト出来る事に気が付いたことだ。しかも、一度見つけたバスは不思議なことにほぼ数日、その岩盤付近からあまり大きく移動しないことが練習中にわかった。周辺をよく探せば毎日何匹かのデカバス君に決まった岩盤付近で出会えた。
この時は釣れる釣れないは別にして、本番でもいれば何らかの方法で狙う程度に考えていた。しかし、居ればラッキー程度に考えていた初日、その岩盤で50アップをサイトで見事喰わせたもののボートべりで激ジャンプバラシ・・・。2尾目は岩陰のブラインドで掛けるが再び絞り込まれてラインブレイク・・・。見えたバスが高確率で喰うこと、そしてその強烈なポテンシャルがあることをバラシながらも本番中に気が付いた。

初日は朝からジグで快調に飛ばした。
それでもウエイトはラバージグでトップウエイトをマーク。何か大きな条件の激変がない限り、難易度と精神的リスクの高いサイトなしで十分に4キロ台なら出せる自信はあった。しかし2日目、まさか最終的にサイトで見つけていたバスだけを頼って、ラストギリギリで狙いに行く緊急事態になるとは、この時は夢にも思っていなかった・・・。

初日トップは結構余裕あり。
しかしこの後天候は激変する・・・。
・・・TO BE CONTINUED・・・

 

 

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